柏洋通信

Vol.81-100

2019.06.21

柏洋通信VOL95

ISOの更新審査が終了しました。

 6月12日から14日までの日程で、当社のISO14001:2015の更新審査が行われました。審査は「マネジメントシステム全体としての継続的な適合性及び有効性、並びに認証の範囲に対する適正性を審査すること」を目的に、本社と二本松工場で同時並行して進められました。

まず初日は朝一番に、私が審査委員からインタビューを受けることから始まりました。同様のインタビューは過去に何回も受けてはいるものの、それでも毎回緊張するものです。経営トップとして当社の現状に対してどのように感じ、どのような問題を課題として捉えているかなどなど、熱くなって語っているうちに、持ち時間の1時間はとうに過ぎていました。

その後は各部門の責任者がそれぞれの活動実績を示しながら審査委員の方々とディスカッションを進め、改善すべき点や今後取り組むべき課題などを確認していきます。結果としてマネジメントシステム全体に影響を及ぼすような、決定的な逸脱行為は認められず、無事審査は終了しました。

◆審査最終日、審査員より担当者へ審査結果の講評が行われました。改善指摘事項については真摯に受け止め、明日からの活動に活かしていきます。

 幸いなことに大きな改善指摘事項はなかったものの、審査終了後に受け取った報告書を見ると、各部門で概ね同様の問題点が指摘されています。この点については、私も当社のウイークポイントとして常々感じているところです。

原則として各部門の活動は、PDCAに基づいて進めているのですが、計画と実績を比較することで差異や異常を認識できてはいても、到達すべき最終的なゴールが曖昧なため、突っ込んだ分析が行われず、評価が中途半端のままで終わってしまうことが多いのです。

結果として問題の本質を見い出せず、対処療法に終始することになりがちです。これでは本来向かうべき改善の方向性を、見誤ることになりかねません。こうした状況を放置していれば、PDCAを回し続けながら、さらに高いレベルの改善を継続していくという、ISOの本質とはかけ離れたものになるのではと危惧しています。

今回指摘を受けた改善点を真摯に受け止め、次回の更新審査に向けさらに充実した活動になるよう、社員一丸となって取り組んで行きます。

代表取締役社長
七島 徹

2019.05.27

柏洋通信VOL94

ヘルスフードエキスポ2019に行ってきました。

◆国際食品素材/添加物展・会議は今年で24回、ヘルスフードエキスポは今年で17回を迎えました。

 5月22日から24日の日程で開催された、「ヘルスフードエキスポ2019」に行ってきました。「国際食品添加物展・会議」と同時開催されており、健康食品や機能性食品に関係する多くの企業が出展し、製品開発を手掛ける担当者が数多く集います。私のような容器メーカー、特にガラスびんメーカーの人間には、直接ビジネスに繋がることは少ない場であるとは思いますが、今回は「食の地域ブランド創造ゾーン」の出展もあったため、足を運んだ次第です。尚、今回は東京ビッグサイトの青海展示棟ホールA・Bで行われました。ここはゆりかもめの東京ビッグサイト駅(3月に国際展示場正門駅から改称)のお隣、青海駅のすぐ横に設けられた巨大な倉庫のような建物です。来年は東京オリンピック2020が開催される影響で、長期間使用できなくなる東京ビッグサイトを補完するために建てられたのでしょうか。東京ビッグサイトとは、無料シャトルバスで行き来することができます。

◆山本万理先生は「食の地域ブランド創出に向けた食品素材と機能性表示について」のタイトルで、基調講演を行いました。山本先生は地方自治体が地場の食品に付加価値を与えるため活動を支援されており、こうした「自治体版機能性表示制度」の取り組みは、アジア各国からも注目されているそうです。

 さて、今回私のお目当ては、「食の地域ブランド創生セッション・産学官連携セッション」と題したセミナーを受講することでした。地方自治体が地場の食品の販売促進に向け、健康面にフォーカスした活動を行っていることは見聞きしていましたが、最新の取り組みについて知りたいと思っていたからです。まず冒頭は官を代表して、農研機構 食料ビジネス推進センター・センター長の山本万理先生による基調講演です。山本先生は食品素材と機能性表示について長年研究されてきた方で、2015年に設けられた機能性表示食品制度の実現にも尽力されました。また先生はテレビ番組「世界一受けたい授業」で、緑茶の効能を科学的かつ分かりやすく紹介するなど、マスコミの世界でも広くご活躍されています。

◆2013年に全国に先駆けてスタートした「ヘルシーDo」。認定商品は健康食品からヨーグルトや豆腐、お菓子に至るまで、既に90品種を超えました。「ヒトを対象とした機能性に関する試験」をバックアップするため、江別市の北海道情報大学に研究センターを設置し、低コストでデータを収集・分析できる体制もできました。こうした地道な活動が、「ヘルシーDo」の普及を後押ししています。現在では大手スーパーマーケットが関心を寄せるなど、「ヘルシーDo」はビジネス面でも大いに期待されています。

 続いて北海道が全国で先駆けて進めてきた、「ヘルシーDo」の活動が報告されました。北海道が食の宝庫であることに、異論を挟む人はいないでしょう。豊かな農産物、畜産物、海産物に恵まれているが故に、それらは一次産品のまま出荷されることが多く、どのように付加価値を付けるのかが悩みの種でした。例えば三重県伊勢名物の赤福餅や、福岡県博多名物の辛子明太子。赤福餅の小豆は十勝産を使用していますし、スケソウダラの魚卵である明太子は、もちろん北海道産です。二つの名物自体は北海道とは縁もゆかりもないものの、使用している北海道産の原料が、味や品質をアピールする強力なブランドになっています。そうした北海道ブランドを活かしつつ、「おいしい・安心・健康」に着目して生まれたのが、北海道食品機能表示制度、その名も「ヘルシーDo」なのです。この制度は北海道内で製造された商品を対象に、「ヒトを被験者として機能性に関する試験が行われていること(一定水準の科学的な根拠があること)」など、一定の基準を満たした商品に、北海道庁が独自に健康に配慮した商品として認定するというものです。その証に「ヘルシーDo」のロゴマークを、商品のパッケージに表示することがきるのです。既に研究で明らかになった機能性成分を活用して認定を受けられることから、自社で研究する手間や時間を省くことができ、道内の企業が参入しやすいことが特徴です。そもそも機能性表示食品制度は届け出制のため、専門機関の審査が必要な特定保健用食品(トクホ)より簡便に健康効果を表示しやすいと言われています。それでも、企業側が自社の責任で科学的根拠に基づいた機能性を表示することになるため、そうした研究論文や文献を集めたり、独自でヒトを対象とした研究データを作成することは、中小企業にとって決して低いハードルとは言えないのが実情です。「ヘルシーDo」はそうした問題を解決すべく、北海道庁が創設した健康志向の食品ブランドだと言えるでしょう。

◆県を越えた四国全域の食の振興に向け、一般財団法人四国産業・技術振興センターが2011年より活動を開始。「ヘルシーDo」をベンチマークに、2017年から「ヘルシー・フォー」としての認定制度をスタートさせ、現在4品種が認定を受けています。因みに「ヘルシー・フォー」の「フォー」はズバリ四国を意味します。また「・」には掛け合わせるとの意味があることから、「ヘルシー×フォー=健康×四国」、「四国全体を健康に、四国の総力で社会を健康に!」という意味が込められているそうです。

 「ヘルシーDo」は特定保健用食品や栄養機能食品とは異なり、直接効能効果を表示することはできません。また、必ずしも機能性表示食品の要件を満たしていないことから、消費者の混乱を避ける上でも監督官庁である消費者庁との交渉は、難航を極めたとも言います。最終的には官公庁との連絡を密にし、何らかのトラブルが発生した場合には、北海道庁が前面に出て解決に当ることで了承を得たとのことです。北海道が先行して進めてきた、いわば「自治体版機能性表示制度」は、今や全国的な広がりを見せるまでになりました。当日「ヘルシーDo」の次に発表が行われた「ヘルシー・フォー」の取り組みは、正に「ヘルシーDo」をお手本にスタートした、四国四県にまたがる活動です。私はこうした地方発の活動と容器としてのガラスびんは、非常に親和性が高いと考えています。これからも「自治体版機能性表示制度」の取り組みに注目していきます。

代表取締役社長
七島 徹

2019.05.22

柏洋通信VOL93

14回目の色替えを実施しました。

 5月10日から13日の日程で、14回目の色替えを実施しました。今回は茶から透明(白)への変更になります。今回の色替えは、前回2018年10月に行った色替えを踏襲して計画が組まれました。5月10日午前0時に色替えバッチの投入を開始。以後、茶色ガラス用から透明ガラス用へ、調合比率を徐々に調整した原料を、8段階に分けて投入していきます。投入時間は計画と若干の差は生じたものの、5月12日の17時に最終バッチを投入し、その後はカレットの比率を上げながらガラスの状態を慎重に観察していきました。翌14日の9時、予定通り3本ある生産ラインの内の1本で新製品のテスト吹製を敢行、その後本格的に生産を再開しました。その間並行して外部の第三者機関でガラスの色調、比重、組成などを測定し、いずれも透明ガラスの規格内に収まっていることが証明されました。それを受けて14日の13時から、そして翌15日の9時から、順次それぞれのラインで生産が再開されました。

◆今回も計画通りに色替えを終了しましたが、生産を再開した当初、気泡の発生に悩まされました。

 色替えの作業自体ほぼ計画通りに推移したとはいえ、生産の再開に当り、今回は前回に比べ気泡の発生が多く見られました。特に最初にスタートしたラインでの発生が顕著でした。その後他の2ラインがほぼ正常な状態に戻ってからも、しばらく気泡の多い状態が続きました。そのため今回の色替えの検証を行ったところ、色替え期間中の5月12日から13日にかけて、前回に比べて溶解炉の中央部の温度の上昇が緩やかであったことが、外部の専門家から指摘されました。最終的には計画した温度領域に達したものの、そこまで到達するまでに時間を要し、当該温度が維持される時間が計画より短くなったことから、色替えの進捗に遅れが生じたとの見解が示されました。結果として生産再開の時点でのガラスは、透明ガラスのスペックの範囲内にあるとはいえ、前回に比べると不十分な状態であったと推察されます。今後さらに気泡に内包する気体や内容物の解析を進め、原因究明を徹底することで、次回の色替えに備えます。

代表取締役社長
七島 徹

2019.05.07

柏洋通信VOL92

58期上期 QC活動報告会を実施しました。

 4月19日、23日の日程で、58期上期 QC活動報告会が開催されました。上期が終了したのが1月ですから、様々な事情から開催が遅れてしまったのは残念でしたが、多忙な日常業務の合間を縫って各職場から12チームが参加してくれたことに、社長として大いに意義を感じているところです。今期の半ばでの活動報告とあって、データ収集の途中だというチームも目に付きました。それでも、QC活動の基本中の基本である、日々業務に従事している自分たちだからこそ気付く課題をテーマに定め、地道にデータを蓄積していく手法は定着したと感じています。

◆【女子検査:女子検査チーム】

◆【検査:検査B・Cチーム】

◆【機械:チームB・C】

◆【工作:KOUSAKUチーム】

◆【倉庫:物流チーム】

 今回最優秀賞を受賞したのは、12名のメンバーからなる「女子検査チーム」でした。テーマは「作業標準(検査-3)の整理と見直し」です。時代の進展と共に新しい仕事が加わり、使用する機器や治具が変われば、当然のことながら作業の手順も変わります。そうした過程で作業標準は追加され、見直されることになるのです。当社の50年以上に渡る歴史の中で、知らず知らずのうちに作業標準は増え続けていきました。その中には既に実際の仕事内容にそぐわなくなっているものや、似たような内容のものも含まれており、「探しにくい!」「分かりにくい!」として、現場で活用されているとは言えない現実が見えてきました。彼女たちもこうした状況に問題意識はあったものの、忙しさにかまけて中々手が付けられなかったというのが本音でしょう。当社の他の職場でも見られる光景です。あえてそこにメスを入れたのが「女子検査チーム」でした。12人のメンバーで慎重に検討を加えた結果、135項目もあった作業標準の中から44項目を削除し、91項目に絞り込むことに成功。さらにその中の4項目は、現状に即して改定を行いました。彼女たちは報告書の中で、自己評価として「以前より作業標準を意識し、必要な時に見るようになった」と記しています。私は今回のQC活動の最大の成果は、単に数を絞り込んだことではなく、むしろ彼女たち12人のメンバーが、一連の作業を通じて作業標準に対する意識が変わったことだと感じています。今回残念ながら最優秀賞を逃したチームの中にも、今後の活動如何で大きな成果が期待できるチームが幾つもありました。58期下期の報告会が今から楽しみです。

代表取締役社長
七島 徹

2019.04.19

柏洋通信VOL91

ファベックス (FABEX) 2019に行ってきました。

◆ROSE LABOの田中綾香社長に、無理を言ってポーズをとっていただきました。ROSE LABOさんでは埼玉県深谷市にある1000坪の自家農園で、「食べられるバラ」を無農薬で栽培。バラの花びらには健康と美容に欠かせない、ビタミン、ポリフェノール、ケラチン、食物繊維などが豊富に含まれています。それを使って色鮮やかで美味しいジャムに仕上げました。これからハチミツを使った新商品も考えているそうです。

◆Totalbeauty bysisterさんでは、アレルギー症状の原因となる特定原料27品種を一切使用しない、マヨネーズとタルタルディップソースを商品化しました。誰にとっても安心のオーガニック食品とガラスびんの組み合わせは、正にベストマッチングと言えるでしょう。

◆夢産地とさやま開発公社さんは高知県から出展されました。土佐山(とさやま)は高知県の中央部に位置する自然豊かな山里です。そこで育まれた野菜や果物をふんだん使い、手作業で一つひとつ丁寧に作られたジャムは、香りと甘さと酸味のバランスが絶妙です。

◆年ごとに海外からの出展者は増えています。「ワイン&グルメ」のコーナーでは、試飲のグラスを傾けながらワールドワイドなワイン談義に花が咲きます。

 今年も東京ビッグサイトを会場に、4月17日から19日の日程で開催された ファベックス(FABEX)2019に行ってきました。
このイベントの正式名称は、The Word Food And Beverage Great Expoで、それぞれの頭文字を組み合わせてFABEXとしています。
業務用「食」の総合見本市として今年で22回目を数え、年ごとに海外からの出展も増えています。


 「食」に関する見本市といえば、柏洋通信でも度々紹介している「フーデックス」や「スーパーマーケットトレードショー」など幾つもありますが、ファベックスはあくまで中食・外食など業務用の「食」に特化し、食品・食材、機械・機器、包装容器の3つの関連する分野をくまなく網羅しているのが特徴です。
そのため「食のプロたち」からも見逃せないイベントとして、注目を集めてきました。

 また今回は同時に「デザート・スイーツベーカリー展」「食肉産業展」「ワイン&グルメ」「麺産業展」「プレミアムフードショー」が開催されました。

◆ファベックスでは機械や設備の展示も盛んです。今や食品業界でもロボットの導入は当たり前になりました。

◆和食からエスニック、スローフードからファーストフードに至るまで、世界中から様々なジャンルの「食」が勢ぞろいです。

 ガラスびんは業務用というより、むしろ一般消費者向けの容器だと言えます。
そうした意味で、ファベックスの会場でガラスびん入りの食品・飲料に出会う機会は、他の見本市ほど多い訳ではありません。
それでも私にとって、ガラスびんを含む容器の動向や「食」のトレンドを感じる上で、欠かせぬイベントになっています。

 今年も「プレミアムフードショー」の「オーガニックフードEXPO」のコーナーでは、当社の製品をご愛顧いただいているお客様との新たな出会いがありました。

代表取締役社長
七島 徹

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