柏洋通信

Vol.61-80

2018.05.01

柏洋通信Vol.70

  【「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018」お披露目会に行ってきました。】(5/1)

◆ミス日本酒の乾杯で、華やかにお披露目会はスタートしました。

◆今や日本酒ブームの牽引役は女性だと断言できます。

◆「もうちょっと入れて」何れ劣らず素晴らしい日本酒ばかり。日本酒好きにはたまらない瞬間です。

◆お披露目会の参加者には銘々にこんなおつまみが。照り焼きチキンのトルティーヤロール、生ハム、チーズ、バーニャカウダーなどなど。洗練された日本酒に実に会うんだな~。

 当アワードは今年で8回目を迎えました。
昨年のお披露目会はどうしてもスケジュールの都合がつかず断念しましたが、4回目の2014年から参加しています。
私は日本酒を巡る様々なムーブメントの中で、正に「今」を体現しているのが当アワードだと考えています。
そこで年ごとにどのような変化が見られるのか、定点観測の意味もあって、お披露目会にはできるだけ参加するようにしてきました。
数ある日本酒のイベントの中でも特に当アワードに注目するのは、 日本酒のさらなる普及に向け3つのボーダーを掲げ、それらを克服するためにチャレンジングな試みを次々と仕掛けているところです。
3つのボーダーとは、まず日本酒の魅力を若年層へ啓蒙し、「年齢の壁」を乗り越えること。
次に和の食材や調理法に固執せず、日本酒と食の新たな出会いを広めることで「業態の壁」を乗り越えること、 そして最後の3つ目はワールドワイドな視点で世界のマーケットに打って出る、文字通り「国境」という壁を乗り越えることです。
そしてこれらのボーダーを、ワイングラスという日本酒とは相容れないと思われていた酒器を使って、軽やかに飛び越えようする斬新な発想に大きな魅力を感じています。
口の広いワイングラスだから、日本酒の繊細な香りを余すところなく感じ取ることができます。
透き通ったワイングラスだから、美しい色味も存分に堪能できます。
ワイングラスで日本酒を嗜むことで、従来の酒器では味わい尽くすことのできなかった新たな魅力が醸し出されてきました。
こうした工夫が年を経るごとに認知され、今回は過去最高の263もの蔵元から合計901点が出品され、 その中から「ワイングラスでおいしい日本酒アワードメイン部門」「スパークリング酒」「大吟醸」「プレミアム純米」の」各部門で、最高金賞40点、金賞236点が選ばれました(http://www.finesakeawards.jp/#aResluts)。
さて、お披露目会は4月27日に虎の門ヒルズを会場に、82の蔵元が一堂に会して開かれました。
昨年までは六本木ヒルズで行われていたのですが、今年は出展する蔵元の数が増えたことから手狭となり、場所を移さざるを得なかったそう。
「費用がかかって、かかって・・・」という主催者側の声も聞こえてきましたが、これも盛況なアワードだからこそのうれしい悲鳴でしょう。
来場者の数も例年に比べさらに増え、女性の占める比率はさらに高まっているようです。
また我々を迎えてくれる蔵元の方々の中にも、女性が目立つようになりました。こうしたところにも、日本酒を取り巻く環境の変化が如実に表れているのだと思います。
当社にとってお酒の分野はまだまだ発展途上ですが、それでも当社の製品をご愛顧いただいているお客様との新たな出会いもありました。
毎年のことですが、試飲させていただいたお酒はどれも金賞以上の逸品ばかりです。
一介の呑兵衛として仕事(?)も忘れ、大いに楽しませていただきました。

代表取締役社長
七島 徹

2018.04.05

柏洋通信Vol.69

  【AI・人工知能EXPOに行ってきました。】(4/5)

◆初日にも関わらず大勢の人たちでごった返していました。AI・人工知能は分野を問わず、最大の関心事なのです。

◆今AI・人工知能で何ができるのか? 会場のあちらこちらでデモンストレーションが行われています。

 東京ビッグサイトで4月4日から6日の日程で開催された、AI・人工知能EXPOに行ってきました。
昨年から始まったこの展示会ですが、出展社の数は300社を超えて倍増だそうです。
機械学習やディープラーニングの急速な進歩によって、我々の日常生活には遠い存在だと思われていたAIや人工知能が、一気に現実味を帯びてきたというのが実感です。
そういった意味で、2018年は歴史に残る年になるのだと思います。
書店を覗けばAI・人工知能関連の書籍を集めたコーナーを、当たり前に目にするようになりました。
AIに仕事を奪われたり、はたまた支配されるのではないかと不安を煽る本まで目にします。
AI・人工知能の中身が大多数の人間にはブラックボックスなだけに、こうした話がまことしやかに語られるのでしょう。

さて、そんなSFチックな話は別にして、今や中小企業にまで活用され始めたと言われるAI・人工知能ですが、 「本当のところはどうなの?」を確かめるのが今回の目的です。
AI・人工知能と一口に言っても、ビッグデータを解析して様々な予測モデルを作るものから(あるブースではデモで貸し倒れリスクの予測をしていました)、 コールセンターや受付嬢(何も女性に限りませんが)を代替するチャットボットまで、応用範囲は実に多彩です。
個人的に関心が高いのは、マシンビジョンへのAIの活用です。
カメラで製品の検査を行う際、ガラスは光を透過すると同時に反射もするなど、実にやっかいな素材です。
漏れのないようにカメラの感度を一定以上に上げれば、品質に影響を与えないほどの微細な汚れやしわまでも、欠点と認識して排除してしまいます。
そこでディープラーニングを駆使して膨大な映像データを読み込ませれば、AIが人間の目と同じように微妙な差異を認識し、 良品排除を大幅に減らすことが期待されるのです。展示会ではマシンビジョンに特化したソフトウエアも出展されていました。
予めディープラーニングのアルゴリズム(手順)が設定されており、後は個々の会社で実際に生産ラインを流れる製品の映像を読み込ませるだけで、 最適な検査の環境を構築できるのだそうです。
オーダーメードからイージーオーダーへ、AI・人工知能のハードルも、確実に低くなってきていると感じました。
その他にも、昨年から急速に普及してきたと言われているRPA(Robotic Process Automation)の展示も目に付きました。
ロボットといってもペッパー君やアシモが、人に代わって仕事をするわけではありません。
厳密に言えばAI・人工知能とは異なるのですが、人がパソコン上で行う様々な事務作業を自動化するもので、定型化された入力作業などはお手のものです。

こうした展示会でいつも思うのが、やっぱり人間は素晴らしいということです。
膨大なデータを読み込んで、それに基づいて処理する能力では、既に人はAIに適わないと断言できます。
それでも、AI・人工知能には人の表情や素振りから相手の心情を読み取る、いわゆる空気を読むことなどできませんし、 様々な事象に心を動かされ、それを糧(経験)にして成長することなど有り得ません。
AIが目にする事象はあくまでデータでしかないのですから。2045年はシンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれ、 発展し続けてきたAI・人工知能が一気に人を超えると言われています。
仮にそうであっても、人がやるべきこと、人だからできることは数多くあるのではないでしょうか。
少々楽観的かもしれませんが、人の可能性を信じていたい自分がいます。

代表取締役社長
七島 徹

2018.03.29

柏洋通信Vol.68

  【今年も新入社員がやってきました。】(3/29)

 今年は春の訪れが思いの外早く、当社の入社式を行った3月22日には東京の桜は早くも七、八分咲き。
当社の工場のある福島県二本松市ではまだまだ蕾は固いのですが、桜の開花に負けず劣らず、一足早く待ちに待った2名の新入社員がやってきました。

さて今年も入社式に当り、新入社員を前に恒例の話をしました。
一つは「ガラスびんの魅力と優れている点を理解し、ガラスびんを好きになるとともに、ガラスびんに携わる仕事に誇りを持ってもらいたい」、 そしてもう一つは「柏洋硝子の目指す全員参加型の経営を理解し、実践してもらいたい」というものです。

ガラスびんの魅力と優れた点はと言うと、例年は「安全性」「リサイクル性」「人間の感性や情緒に訴える力」、 この3つを上げていたのですが、今年はさらに1つ加えて「安心して捨てることができる」を加えました。
使い捨て社会からリサイクル社会への転換が、あらゆる分野で共通認識になっている昨今、 「安心して捨てることができる」がアドバンテージになり得るのかと、疑問に思われる方は多いことでしょう。
しかし、現在国内でも問題視され始めた「マイクロプラスチック」を考えてみてください。
自然界で完全に分解できないため、膨大な数の微細なプラスチック片が世界中の海を漂っています。
小魚がそれらを餌と一緒に食べて体内に取り込み、食物連鎖の過程でより大きな魚や海鳥に蓄積されます。
その結果、人間にも密接に関係する自然の生態系を破壊することにつながると、欧米では規制の動きが出始めています。
一方でガラスびんはどうでしょう。
決して奨励するつもりはありませんが、海岸にガラスびんを投げ捨てたとしても、潮の満ち引きや波にもまれるうちに、 数年も経れば細かく砕かれ、最後にはきれいな砂になってしまいます。
これは100%自然の素材でできているからこそ。
カリフォルニアにはかつてゴミ捨て場と化していたある海岸が、今では美しいグラスビーチとして観光名所になっているほどです。
これからは、無理なく自然に戻ることのできる素材が見直されると考えるのは、私だけではないでしょう。

柏洋硝子が目指す会社のあり方は全員参加型の経営。
私はそれをサッカー型経営と呼び、野球と比較して毎年入社式の場で話をしてきました。
ところが、ピョンチャンオリンピックを契機に、サッカー型からカーリング型へと考えが変わってきたのです。  サッカーというスポーツは、選手は監督、会社でいえば社長の基本となる戦略や戦術を理解した上で、 ピッチ上では自ら考え、仲間とコミュニケーションを取りながら、ゴールという目標を目指します。
実際の仕事の場面では、監督から逐一指示が飛ぶ野球型より、現場で刻々と変化する状況を睨みながら、 メンバーが相互にコミュニケーションを取りながら判断し、実行するサッカー型の方がしっくりするはずです。

そこでカーリングです。
今回のオリンピックで初めてじっくり見たと言うのが実情です。
銅メダルに輝いたカーリング女子のLS北見は、「そだねー」や「もぐもぐタイム」など、 和気あいあいとした明るい雰囲気で注目されましたが、私には会社や組織がどうあるべきかを考える上で、気づかされることが多かったのです。
刻々と変わる氷の状況を読みつつメンバー間で情報交換し、限られた時間内でそれぞれが意見を出し合い戦術を練る。  そして相手の出方を見て、想定される幾つかのパターンから最善策を選択する。
最後に「そだねー」で全員が納得したら、後は力を合わせて実行に移します。
戦況に応じた自主的な判断の連続は、日頃から自分で考え行動する習慣が身についていなければできることではありません。
単なる仲良しグループではない成熟したチームに、当社が追い求める理想の仕事の進め方や組織の在り方を見た思いがしました。
これから当社が目指す経営のかたちは、もちろん全員参加のカーリング型経営であることを、入社式で宣言しました。

今年も二人の新しい仲間を迎えることができ、経営者としてこれほどうれしいことはありません。
一日も早く仕事や仲間に馴れ、柏洋硝子の一員として育ってくれることを願ってやみません。

代表取締役社長
七島 徹

2018.03.26

柏洋通信Vol.67

  【「第14回 ガラスびんアワード2017」授賞式に出席しました。】(3/26)

◆真中が最優秀賞の『久保田 雪峰』、向かって右が『ファーストエッセンスジン』、向かって左が『NEXT THE HAEVEST2017』。

◆当社も健闘むなしく最終予選で敗退となりました。来年こそはリベンジです。

◆受賞者の皆さん、おめでとうございました。

 去る3月15日、如水会館で開かれた「第14回 ガラスびんアワード2017」授賞式に出席しました。
アワードについては昨年の柏洋通信でも取り上げているので、ここでは詳しい内容は省きますが、 審査委員長にリリー・フランキーさん(9回目)、審査委員にフリーアナウンサー富永美樹氏(6回目)を迎え、応募エントリー数、297エントリー(449本)の中から各賞が決定しました。
3年連続でエントリー数が最高記録を更新するほどの盛況ぶり。
最優秀賞には千寿、万寿で有名な、あの朝日酒造の『久保田 雪峰』が選ばれました。
黒の加飾が施され、重厚なプレミアム感が醸し出されています。
お酒そのものの品質の高さと相まって、瞬く間に完売してしまったそうです。
また優秀賞にはアルケミエ辰巳醸造の『ファーストエッセンスジン』と、福禄寿酒造の『NEXT THE HAEVEST2017』が選ばれました。
アワードの詳細については、日本ガラスびん協会のHPをご覧ください。(http://glassbottle.org/glassbottlenews/1531)
いずれの受賞作も甲乙つけがたい力作揃いです。
今回は例年以上に中身の価値をより高める、デザイン力の際立った作品が選ばれたのではと感じています。
こうした力は正にガラスびんだからこそ。
他の素材の容器には決してまねのできない、ガラスびんだけが有する大きな魅力だと思います。

さて、当社も今回のアワードにはエントリーしているのですが、残念ながら昨年に引き続き最終予選であえなく敗退となりました。
まだまだ中身の価値を高めるまでには至っていないのか、反省至極です。
来年こそは最優秀賞を目指し、また一から地道な努力を続けていきます。
リリーさん、富永さんはともに当アワードの審査を長く務められてきたこともあって、すっかりガラスびん通になりました。
時に審査委員の立場を離れ、一ガラスびんファンとしかとれないコメントも多く、終始笑いの絶えない楽しい授賞式になったことも付け加えておきます。

代表取締役社長
七島 徹

2018.03.23

柏洋通信Vol.66

  【9回目の色替えを実施しました。】(3/23)

 2月28日から3月4日の日程で、9回目の色替えを実施しました。今回は白から茶への転換になります。
今回は色替えに先立ち、製びん機にガラスを供給する個所に使われている、 スパウトと呼ばれる耐火物を交換する作業を行ったため、今までとは異なる手順になりました。
そのため、従来のスケジュールより1日多く費やすなど、慎重に作業を進めました。
色替えの過程では一時的に多くの泡の発生が見られましたが、生産再開の時点では十分に治まり、概ね順調に推移したと考えています。
その後12日には、今回の色替えの結果を検証するため、熔解技術向上プロジェクトを開催しました。  このプロジェクトは色替えに関するノウハウを蓄積するため、外部から有識者を講師として招き、毎月実施しているものです。
私も可能な限り出席しています。
講師の先生からは、色替えに限って言えば、当社のスタイルはほぼ固まったとの発言がありました。
今後はよりスムーズな生産の立ち上げや、熔解炉の自動制御など、さらに生産性を高めるための取り組みに軸足を移すべきとのご指摘も受けています。
当社としてやるべきことはまだまだあると、プロジェクトのメンバー一同、決意を新たにしたところです。



代表取締役社長
七島 徹

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