柏洋通信
Vol.21-40
2017.02.26
柏洋通信Vol.40
【白亜ダイシン様を訪問しました。】(2/26)
2月20,21日で札幌を訪れました。
史上最高260万人以上を集めた雪まつりも終了した直後ですから、札幌の街も落ち着きを取り戻した頃かと思っていたのですが、 前日から始まった冬季アジア大会の影響もあってか、20日の羽田発新千歳行の便はほぼ満席状態。
市内でも外国人観光客の姿を数多く見かけました。
さらに驚かされたのは、その日の夜に訪れたジンギスカンを食べさせる店でのこと。
我々を除くとほぼ全員が、海外からの観光客の皆さんだったのです。
昨年も同時期に来ているのですが、その時とは全く様変わりです。
北海道らしさを味わえる店として、元々日本人観光客にも人気店であったことは確かですが、 決して高級店ではありません。店内を見回すと、中国の某サイトに紹介されたとの新聞記事が張り出されていました。
恐るべしネットの威力。
インバウンド消費は日本経済に大きなインパクトを与えることは、今さら言うまでもないことですが、 正にモノ消費からコト消費へと移っている事実を目の当たりにした瞬間でした。
さて、札幌市内のお客様を回った翌日の21日、岩見沢市に白亜ダイシン様を訪問しました。
岩見沢は札幌から旭川方面へ30数キロほどですが、札幌市内に比べても大変雪の多いところです。
当日はあいにく前夜から雪が降り続き、市内の幹線道路も路面が白くなっています。
同行していただくディーラーの方も道中が心配だと、訪問予定の1時間半前には早々とホテルに向かいに来ていただきました。
所々吹雪いていたところもありましたが、現地の岩見沢は打って変わっての快晴で、 思いのほか早く到着してしまいました。
目指す白亜ダイシン様は岩見沢インターを降りてすぐの国道沿いにあり、本社、工場に隣接してオシャレなショップが併設されています。
白亜ダイシン様は「NORTH FARM STOCK」(ノース・ファーム・ストック)のブランドで、全国展開されています。
「NORTH」は北海道をイメージする「北」、「FARM」は「農場、農園」、「STOCK」は「特別な物、蔵出し」を意味しています(J-NET21より)。
あくまで北海道産の厳選された素材にこだわり、「美味しさ」と「健康」をとことん追求し、 パッケージにも妥協はありません。
弊社の製品を数多くご使用いただいており、直近では新製品のパスタソースにも採用していただきました。
早坂社長はガラスびんの魅力をきちんとご理解いただいており、 我々のお客様であるのと同時にガラスびんの良き理解者として、たいへん得難い存在でもあるのです。
当日も弊社の試作品をお見せしたところ、ユーザーの視点から忌憚のないご意見をいただきました。
展示会にこれから出展するという新製品について、貴重なお話を伺う機会にも恵まれました。
発表前とあってここでは詳しく紹介できませんが、麹を使った全く新しい商品とのこと。
和の素材にトマトなどの洋のテイストを加えることで、 「NORTH FARM STOCK」のイメージをそのままに、今までにない商品に仕上がりました。
麹は一時ブームにもなりましたが、早川社長は全く意に介しません。
「流行を追うつもりはない。あくまで良いものにこだわった結果。改めて麹の底力に驚かされました」と言います。
さらに、「これから増々体に良いものを食べたいという要求が高まる」と。
それに応えるには、産地のはっきりした安心できる素材が前提だと熱く語ります。
北海道のこの地にどっしりと根を下ろし、生産者の方々とのしっかりとしたパイプを構築されている白亜ダイシン様だからこそできることです。
これからの展開が増々楽しみになってきました。
今まで以上に我々はガラスびんを通して、末永くお手伝いができればとの意を強くした、今回の訪問でした。
七島 徹
2017.02.22
柏洋通信Vol.39
【ベトナムのホーチミン市を訪問しました。】(2/22)
2月13日から16日の日程で、ベトナムのホーチミン市を訪問しました。
この程当社はベトナムから技能実習生を受け入れることになり、そのための面接を行うことになったのです。
既にベトナムから多くの技能実習生が来日し、日本全国津々浦々の生産現場で活躍していることは、皆さんもよくご存じのことと思います。
当社の工場がある福島県も例外ではありません。
ご承知の通り我が国では、外国人が工場などで日本人と肩を並べて普通に働くことには様々な制約があり、 原則として「外国人技能実習制度」を利用しなければならないのが実情です。
制度の詳しい説明は省きますが、日本の慢性的な人手不足を補う手段として、各方面で活用されているのです。
移民問題で大きく揺れ動く欧米を見るまでもなく、日本にとっても近い将来、 さらに一歩踏み込んだ決断を迫られる時期が来ると思うのは、私だけではないでしょう。
この制度には現在農業、建設、食品加工など74の職種が指定されていますが、 最近になって当社のようなガラスびん製造業にも適用される職種が加わったことから、今回の面接に漕ぎつけたのでした。
さて、面接は現地で日本に向け技能実習生を送り出している教育機関で行いました。
ここはホーチミン市以外にもベトナム全土に数カ所の拠点を持ち、現在1,900名の生徒たちが通っています。
彼らは高校、短大、専門学校を卒業後、その多くは数年の実務経験の後、日本での就労を希望して入学してきます。
カリキュラムの中心はもちろん日本語教育ですが、まず驚かされたのは、ここでの教育は日本以上に日本的だということです。
教室では「あいさつ」「礼儀」「時間厳守」が、繰り返し徹底的に教え込まれます。
日本企業では当たり前の5Sも取り入れられていますし、日本での日常生活で困らないよう、 ごみの分別も行われています(ベトナムでは一切行われていません)。
その他日本文化にも触れられるよう、茶道や着付けの教室もあるそうです。
こうした経験を積むことで、彼らは我々が想像する以上に、日本人と日本の文化を理解して来日することになるのです。
ベトナム人の彼らは、なぜ日本を目指すのでしょうか。
働きやすさという面からすれば、制約の多い日本より、欧米、中国、韓国、中東諸国の方がはるかに良いはずです。
それでも、日本を志向する若者は多いのです。
その理由として彼らが異口同音に上げるのが、日本はアジアで最も成功した国であるということ。
その根底には、奥深い文化と最先端の技術の融合があると見ています。
そして、日本への憧れと畏敬の念を隠そうとはしません。
彼らの来日の目的は、単純にお金を稼いで家族に楽をさせたい、日本語と技術、日本的経営手法を習得し、 帰国後は日系企業でリーダーとして働きたい、日本で稼ぎ、かつ習得した技術やノウハウを生かして起業したいなど様々です。
しかし誰からも日本の良さを貪欲に吸収したいという、強い熱意が伝わってくることに変わりはありません。
今回は8名の若者と会いしましたが、いずれも甲乙つけ難く熟慮に熟慮を重ねた結果、最終的に3名に絞りました。
彼らはこれからさらに日本語に磨きをかけ、順調にいけば8月には当社に入ってくる予定です。
丸一日を費やした面接の翌日、幸運にも3名の内の一人、ゴー・ディン・ヴァン君の実家を訪問する機会を得ました。
彼らベトナム人の日常を知る上で、またとないチャンスです。
ヴァン君の実家はホーチミン市から南西へ約90㎞、カンボジアと国境を接するタンニン省にあり、ご両親は農業を営んでいます。
ベトナム名物の交通渋滞(?)をかき分けかき分け、車で2時間ほど走ってようやく到着。
幹線道路から脇に5分ほど入ったところに目指すお宅はありました。
煉瓦造りの壁にタイルを張った瀟洒な住宅です。
暑い国だけに広いテラスが設けられ、風通しを重視した間取りになっています。
思いがけずご両親から歓待を受けました。
時間は丁度お昼時、お父さん自ら腕を振るってのご馳走に、舌鼓を打ちつつ大変美味しくいただきました。
ベトナムでは若者が海外に出るのは極々普通のことだけに、ご両親もヴァン君が日本に行くことに特に不安はないそうです。
だからこそ、我々は将来のある彼らを単なる労働力と見るのではなく、日本とベトナムの国際交流に一役買うぐらいの気持ちが必要だと思います。
その結果、第二、第三のヴァン君たちが当社に来てくれるようになれば、お互いにウィンウィンの関係を築くことができたのだと言えるでしょう。
彼ら3人と二本松で再開できる日が、今からとても楽しみです。
七島 徹
2017.02.03
柏洋通信Vol.38
【節分祭に参加しました。】(2/3)
当社のお客様が関係する節分祭が毎年開かれ、今年も参加してきました。毎年多彩なゲストをお迎えしますが、今年は元フジテレビの人気アナウンサー八木亜希子さん。現在はフリーアナウンサーや女優としてもご活躍されていることは、皆さんもご存じの通りです。
さて、今年は酉年です。私も年男として節目の年を迎えました。当日はその日のために特別にしつらえた櫓の上から、精一杯心を込めて豆やお菓子を撒かせていただきました。無病息災、商売繁盛、そして世界が平和になりますように。願い事は人それぞれですが、「鬼は外」「福は内」の掛け声とともに、今年一年の平安を祈念します。このところ私の家の周りでも、このような声はほとんど聞かれなくなりました。気が付くと、当日「恵方巻き」を食べる習慣こそ関東でも随分と普及したように感じますが、 豆まき自体は家庭でも行われなくなってきているのでしょうか。日本の良き風習として、これからも残して行きたい風物詩だと思うのは、私だけではないでしょう。
物の本によると、酉年は何か新しいことを始めるにはベストなタイミング。良い縁や商機をどんどん取り込む(とりこむ)ことから、商売繁盛の年ともいわれているそうです。一方で政治や経済に目を向けると、大きな変化のあった年として記憶されています。今年も早々から荒れ模様? ともあれ、今年は厄年として心身ともに注意しつつ、充実した年になるよう心新たにした一日でした。
七島 徹
2017.02.01
柏洋通信Vol.37
【ギフトショーに行ってきました。】(2/1)
2月1日からスタートした「ギフトショー LIFE×DESING」を見学するため、またまたビッグサイトに行ってきました。今年のギフトショーは例年以上にスケールアップしています。2月1日から10日までをギフトショーウィークと称し、第83回東京国際ギフトショーをメインに、大小5つの展示会が連続して開催される一大イベントになっています。もちろん展示の中心はパーソナルギフトと雑貨・インテリアになるのですが、今回は「美と健康」や「食」も含めた最新トレンドが網羅されることになりました。
さて、皮きりの「ギフトショー LIFE×DESING」ですが、よりデザインに特化した展示会と言えると思います。最新のデザイン雑貨や、伝統的な匠の技と日本古来の素材を生かした日本ブランド、「アクティブクリエイターズ」と銘打ったクリエーターたちの最先端の作品など、6つのゾーンに分かれて展示されています。ガラスびんに入った食品は極々少ないのですが、そういったものよりも、他の分野のデザイントレンドが気になります。
「デザインの時代」と言われるようになって久しいのですが、展示会場に立ってみると、改めてデザインの持つ底力に身震いする自分がいました。思わず手に取って使ってみたくなる、わくわく感あふれる製品が、目映りするほど並んでいます。
冷静になって考えてみれば、インテリアから小物に至るまで、実は既に持っているものばかりです。当り前の話ですが、日本は今やモノが有り余っている状態です。
「欲しいものが見当らない」とは私自身もよく発する言葉ですが 、それを打ち破り購買につなげる強い欲求をかきたてるのが、デザインの持っている普遍的な力なのだと思います。モノが売れない時代だからこそ、デザインへの期待は益々高まる一方です。ガラスびんという極めてコモディティー化した分野で、如何にデザインの力を活かしていくのか。工業製品として様々な制約がある中で、考えさせられることの多い展示会でした。
七島 徹
2017.01.31
柏洋通信Vol.36
【化粧品開発展に行ってきました。】(1/31)
1月24日、東京ビッグサイトで開催されていた「化粧品開発展」に行ってきました。化粧品は当社にとってハードルの高い分野です。少量多品種、精緻かつ洗練を極めたデザイン、高い透明度などなど、要求される品質レベルは正に想定外。同じガラスびんといっても、当社の手掛ける製品とは一線を画するものだという印象が強く、事実当社の製品で純粋な化粧品向けは極々僅しかありません。それでも、化粧品の華麗な世界を覗いてみたい、触れていたいというのが正直なところです。ビジネスには直接結びつかなくても、最新のデザインや容器・パッケージのトレンドに触れるだけでも勉強になると考え、ビッグサイトへと向かいました。
日本の化粧品はインバウンド消費を牽引する分野としても注目を集めており、 会場には海外、特に中国を筆頭とするアジアからのお客様の姿を数多く見かけました。会場には原料・添加物、容器・パッケージから、OEMメーカー、販促物、測定・分析機器に至るまで、 化粧品に関わる「これから」が網羅されています。会場を一回りすると、今や化粧品と自然食品、 医薬品の境目がどんどん曖昧になってきているという事実が一目瞭然。もちろん法律上、それぞれの領域はきちんと線引きされていることは言うまでもないことですが、 自然由来の原料が主流の上に、健康とアンチエイジングがテーマとなれば、予防医学と極めて近いと感じるのも無理のないところだと思います。化粧品の最新トレンドは、一般的な化粧品のイメージとは大きく異なるものでした。
さて、当社にとって最も関心の高い容器の分野のトレンドはどうでしょうか。残念ながら、ガラスびんは非常に肩身の狭い状況でした。私の見る限り、ガラスびんは高級化粧品向けの小型の容器(内容量50ml以下?)が中心で、展示されている数も少ないのが印象的でした。大部分はカラフルな樹脂製です。もちろん海外の高級ブランドは、現在に至るまでガラスびんが主流であることに変わりありません。しかし「これから」を主張する展示会がこの有り様では、残念を通り越して悲しいとしか言いようがありません。高級感に繋がる重厚さや硬質でシャープな質感では樹脂に優るものの、近年樹脂の品質も上がり、 ガラスと見誤るばかりのものも目に付くようになりました。これら以外の「何か」を訴求できなくては、ガラスの優位性を取り戻せないことに改めて気づかされた展示会でした。
七島 徹
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