柏洋通信
2021.02.26
柏洋通信VOL123
生産を全面的に再開しました。
2月13日の深夜に発生した大きな揺れは、あの東日本大震災の余震とのことですが、私たちに10年前の苦い記憶を呼び覚ませるばかりでなく、巨大地震の恐ろしさを改めて思い知らされる機会となりました。
当社の工場が立地する福島県二本松市は、東日本大震災の際が震度6強で、今回はそれより低い5強でした。揺れの度合いを示す値は明らかに小さいのですが、前者が大きな横揺れだったのに対し、今回は時間こそ短かったものの、激しく小刻みに揺れたことから、前回よりも大きく感じられたと言う人は少なくないようです。10年前の東日本大震災では、電気やLNGが不通となり大変難儀しました。幸いなことに、今回はそうしたインフラの不具合は生ずることなく、窯の安全確保に前回ほど苦慮することはありませんでした。それでも揺れ方に差があったからなのか、建屋のガラスが何カ所か割れ、外壁の一部が大きく損傷するなど、10年前とは様相の異なる被害が出ています。尚、深夜の時間帯の発生ではありましたが、従業員やその家族にけがなどなかったことは、不幸中の幸いでした。
地震の激しい揺れの影響で、製壜機や検査機など設備の多くが、アンカーボルトで固定されていたにもかかわらず定位置からずれ、生産を一時的にストップせざるを得ませんでした。直ちに復旧作業に入り順次修正を加えた結果、地震発生翌日の14日には1ラインの生産を再開。その後外部の業者の方々の協力もあって、2月19日には3ライン全てで生産再開に漕ぎつけました。その間倉庫に保管してある製品には荷崩れなどの被害はなく、出荷に遅れは生じませんでした。今後は早期に窯の痛んだ個所の修復を行い、万全な体制で生産に臨みます。また、地震発生直後の初期対応では、10年前の経験を活かし大きな混乱なく進められたことは、今後に生きる大きな収穫となりました。
七島 徹