柏洋通信

2021年02月

2021.02.26

柏洋通信VOL123

生産を全面的に再開しました。

◆地震発生の翌日から直ちに復旧工事に着手し、順次生産を再開。2月19日の午後には、全てのラインで生産再開に漕ぎつけました。

 2月13日の深夜に発生した大きな揺れは、あの東日本大震災の余震とのことですが、私たちに10年前の苦い記憶を呼び覚ませるばかりでなく、巨大地震の恐ろしさを改めて思い知らされる機会となりました。

 当社の工場が立地する福島県二本松市は、東日本大震災の際が震度6強で、今回はそれより低い5強でした。揺れの度合いを示す値は明らかに小さいのですが、前者が大きな横揺れだったのに対し、今回は時間こそ短かったものの、激しく小刻みに揺れたことから、前回よりも大きく感じられたと言う人は少なくないようです。10年前の東日本大震災では、電気やLNGが不通となり大変難儀しました。幸いなことに、今回はそうしたインフラの不具合は生ずることなく、窯の安全確保に前回ほど苦慮することはありませんでした。それでも揺れ方に差があったからなのか、建屋のガラスが何カ所か割れ、外壁の一部が大きく損傷するなど、10年前とは様相の異なる被害が出ています。尚、深夜の時間帯の発生ではありましたが、従業員やその家族にけがなどなかったことは、不幸中の幸いでした。

 地震の激しい揺れの影響で、製壜機や検査機など設備の多くが、アンカーボルトで固定されていたにもかかわらず定位置からずれ、生産を一時的にストップせざるを得ませんでした。直ちに復旧作業に入り順次修正を加えた結果、地震発生翌日の14日には1ラインの生産を再開。その後外部の業者の方々の協力もあって、2月19日には3ライン全てで生産再開に漕ぎつけました。その間倉庫に保管してある製品には荷崩れなどの被害はなく、出荷に遅れは生じませんでした。今後は早期に窯の痛んだ個所の修復を行い、万全な体制で生産に臨みます。また、地震発生直後の初期対応では、10年前の経験を活かし大きな混乱なく進められたことは、今後に生きる大きな収穫となりました。

◆大きな揺れにもかかわらず、倉庫では荷崩れを起こすことはありませんでした。

 今回の地震で被害に会われた方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、地震発生の直後から当社の復旧作業にご尽力いただきました皆様に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

代表取締役社長
七島 徹

2021.02.08

柏洋通信VOL122

新たに「成形向上プロジェクト」が始まりました。

 2月3日、第1回目の「成形向上プロジェクト」を開催しました。当社は今期で創業60年を迎えました。その間、当社は曲りなりにも事業を続けてくることができたことから、成形技術に関して同業他社と比べても、それなりの自負は持っています。それでも、それら全てにおいて理論的な裏付けがあるかというと、自信をもって「イエス」と言い切れないのが実情です。確かに経験と勘、さらには都合の良い思い込み(?)の域を出ない部分があることは否定できず、こうしたことが起因して、同様のトラブルが幾度となく繰り返されるという悩みを抱えています。そのため、当社の成形技術を一度原点に立ち返って見直す機会を持ちたいと、常々思っていました。今回外部の有識者のご支援を戴く機会を得られることになったことから、「成形向上プロジェクト」をスタートさせる運びとなりました。因みに講師は縁あって、東洋ガラスOBの林達雄さんにお願いすることになりました。林さんは長年に渡って、製造現場の改善に尽力されてこられました。

◆緊急事態宣言が続く中、やむなく3カ所を結んでリモートで開催しました。

 本来なら第1回目のプロジェクトは、林さんに当社の工場をじっくり見て回っていただくことから始めるのが筋ですが、如何せん2回目の緊急事態宣言が11都府県に出ている最中ですので、止むを得ず二本松工場と東京本社、そして神奈川県の林さんのご自宅をリモートで繋いで行わざるを得ませんでした。プロジェクトの冒頭で自己紹介をされた林さんのモットーは、「現場・現物・現実・原理・原則」とのこと。林さんは根っからの現場主義者であり、良い意味でデータ至上主義者だと理解しました。そんな林さんですから、プロジェクトのスタートは物足りないものに感じたのではないでしょうか。こちらの準備不足も否めませんが、あらかじめ用意していただいたパワーポイントに基づく質疑応答が大半で、議論の盛り上がりも今一つで終わったというのが私の感想です。

 改めて感じたのは、このプロジェクトを生かすも殺すも我々次第だということです。当り前の話ですが、このプロジェクトは月に1度、林さんから東洋ガラス時代の経験談を拝聴する場ではありません。我々が直面する課題を林さんにぶつけ、一緒に悩み、考え、行動して解決していく場でなければなりません。我々が課題に対して必要なデータを徹底的に集め、その上で我々が「こう考えるがどうか?」と、我々の見解をきちんと表明して初めて、林さんも本気なって我々に向き合っていただけるのだと思います。このプロジェクトを意義あるものにするには、一にも二にも我々が如何に本気になって林さんにぶつかっていくかにかかっているのだと痛感しました。これからのプロジェクト活動の中で、メンバー一人ひとりの覚悟が試されます。

代表取締役社長
七島 徹

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