柏洋通信
2020.07.17
柏洋通信VOL114
ISOの定期審査が終了しました。
7月8日から10日の日程で、ISO14001:2015の定期審査が行われました。初日9時からのトップインタビューに始まり、3日目の14時40分に終了したクロージングミーティングに至るまで、審査官と各部門の部長、課長との濃密なディスカッションが続きました。今回は特に改善指摘事項は示されず、無事に審査は終了しました。それでも「改善の機会」としていくつかの事項が挙げられ、当社の取り組みへの甘さが露呈したかたちとなりました。これは即ち、ISOに対する経営トップの姿勢が問われているのだと考えます。
ここでは審査の詳細には触れませんが、クロージングミーティングの席上で、審査官から厳しい指摘を受けたことが、生々しい記憶として脳裏に残っています。「各部門には目標はあるものの、前期に自部門が目標を達成できなかった阻害要因やリスクが考慮されていない」「データの収集や分析・評価は行われているが、そもそも何を改善しようしているのかターゲットが不明確」。
いずれも解決すべき課題が曖昧で、なおかつ結果が出るまで辛抱強く、粘り強く、継続する、良い意味での「しつこさ」に欠けているということだと理解しました。私は社内で日頃から問題の本質を見極めることの重要性と、「とことん、しつこく、あきらめず」継続することの意義を訴えてきたつもりですが、私自身の取り組みがまだまだ甘かったと言わざるを得ません。
さらに当社のウイークポイントとして、コミュニケーションのレベルの低さも指摘されています。企業が問題解決を図るうえで、コミュニケーションとはどうあるべきなのでしょうか。前、後工程の立場(実情)を理解し、自工程の改善点を提案することで相互に歩み寄り、全体最適を前提とする問題解決に導くことことに他ありません。当社の場合、往々にして他部門への批判が先行しがちで、全体最適とはかけ離れた結果になる傾向が否めません。まず「俺のところはこうする」という、断固たる意思表明が不可欠なのだと理解しました。
コロナ禍の真っただ中、むしろこれからが厳しくなるであろうこの時期に、ISOの審査から、新たな気づきを得られたことに感謝したいと思います。
七島 徹