柏洋通信
2019.05.22
柏洋通信VOL93
14回目の色替えを実施しました。
5月10日から13日の日程で、14回目の色替えを実施しました。今回は茶から透明(白)への変更になります。今回の色替えは、前回2018年10月に行った色替えを踏襲して計画が組まれました。5月10日午前0時に色替えバッチの投入を開始。以後、茶色ガラス用から透明ガラス用へ、調合比率を徐々に調整した原料を、8段階に分けて投入していきます。投入時間は計画と若干の差は生じたものの、5月12日の17時に最終バッチを投入し、その後はカレットの比率を上げながらガラスの状態を慎重に観察していきました。翌14日の9時、予定通り3本ある生産ラインの内の1本で新製品のテスト吹製を敢行、その後本格的に生産を再開しました。その間並行して外部の第三者機関でガラスの色調、比重、組成などを測定し、いずれも透明ガラスの規格内に収まっていることが証明されました。それを受けて14日の13時から、そして翌15日の9時から、順次それぞれのラインで生産が再開されました。
色替えの作業自体ほぼ計画通りに推移したとはいえ、生産の再開に当り、今回は前回に比べ気泡の発生が多く見られました。特に最初にスタートしたラインでの発生が顕著でした。その後他の2ラインがほぼ正常な状態に戻ってからも、しばらく気泡の多い状態が続きました。そのため今回の色替えの検証を行ったところ、色替え期間中の5月12日から13日にかけて、前回に比べて溶解炉の中央部の温度の上昇が緩やかであったことが、外部の専門家から指摘されました。最終的には計画した温度領域に達したものの、そこまで到達するまでに時間を要し、当該温度が維持される時間が計画より短くなったことから、色替えの進捗に遅れが生じたとの見解が示されました。結果として生産再開の時点でのガラスは、透明ガラスのスペックの範囲内にあるとはいえ、前回に比べると不十分な状態であったと推察されます。今後さらに気泡に内包する気体や内容物の解析を進め、原因究明を徹底することで、次回の色替えに備えます。
七島 徹