柏洋通信
2017.01.31
柏洋通信Vol.36
【化粧品開発展に行ってきました。】(1/31)
1月24日、東京ビッグサイトで開催されていた「化粧品開発展」に行ってきました。化粧品は当社にとってハードルの高い分野です。少量多品種、精緻かつ洗練を極めたデザイン、高い透明度などなど、要求される品質レベルは正に想定外。同じガラスびんといっても、当社の手掛ける製品とは一線を画するものだという印象が強く、事実当社の製品で純粋な化粧品向けは極々僅しかありません。それでも、化粧品の華麗な世界を覗いてみたい、触れていたいというのが正直なところです。ビジネスには直接結びつかなくても、最新のデザインや容器・パッケージのトレンドに触れるだけでも勉強になると考え、ビッグサイトへと向かいました。
日本の化粧品はインバウンド消費を牽引する分野としても注目を集めており、 会場には海外、特に中国を筆頭とするアジアからのお客様の姿を数多く見かけました。会場には原料・添加物、容器・パッケージから、OEMメーカー、販促物、測定・分析機器に至るまで、 化粧品に関わる「これから」が網羅されています。会場を一回りすると、今や化粧品と自然食品、 医薬品の境目がどんどん曖昧になってきているという事実が一目瞭然。もちろん法律上、それぞれの領域はきちんと線引きされていることは言うまでもないことですが、 自然由来の原料が主流の上に、健康とアンチエイジングがテーマとなれば、予防医学と極めて近いと感じるのも無理のないところだと思います。化粧品の最新トレンドは、一般的な化粧品のイメージとは大きく異なるものでした。
さて、当社にとって最も関心の高い容器の分野のトレンドはどうでしょうか。残念ながら、ガラスびんは非常に肩身の狭い状況でした。私の見る限り、ガラスびんは高級化粧品向けの小型の容器(内容量50ml以下?)が中心で、展示されている数も少ないのが印象的でした。大部分はカラフルな樹脂製です。もちろん海外の高級ブランドは、現在に至るまでガラスびんが主流であることに変わりありません。しかし「これから」を主張する展示会がこの有り様では、残念を通り越して悲しいとしか言いようがありません。高級感に繋がる重厚さや硬質でシャープな質感では樹脂に優るものの、近年樹脂の品質も上がり、 ガラスと見誤るばかりのものも目に付くようになりました。これら以外の「何か」を訴求できなくては、ガラスの優位性を取り戻せないことに改めて気づかされた展示会でした。
七島 徹