柏洋通信

2016年12月

2016.12.15

柏洋通信Vol.34

【国際画像機器展2016に行ってきました。】(12/15)

 横浜パシフィコで12月7~9日の日程で開催された、「国際画像機器展2016」に行ってきました。横浜パシフィコは「みなとみらい」にある見本市会場です。「みなとみらい」は元々造船所や貨物線の操車場などのあった広大な土地を、1980年代から横浜のウォーターフロントとして再開発し、 一挙におしゃれな街へと変貌を遂げました。現在では横浜ランドマークタワーや赤レンガ倉庫街ほか、若いカップルから家族連れやお年寄りまで、幅広い年齢層の人々を魅了する、横浜を代表する観光スポットになっています。

◆JR桜木町駅から横浜パシフィコへ続くショッピングモールでは、毎年巨大なクリスマスツリーが多くの人々の目を楽しませてくれます。

 横浜パシフィコで12月7~9日の日程で開催された、「国際画像機器展2016」に行ってきました。横浜パシフィコは「みなとみらい」にある見本市会場です。「みなとみらい」は元々造船所や貨物線の操車場などのあった広大な土地を、1980年代から横浜のウォーターフロントとして再開発し、 一挙におしゃれな街へと変貌を遂げました。現在では横浜ランドマークタワーや赤レンガ倉庫街ほか、若いカップルから家族連れやお年寄りまで、幅広い年齢層の人々を魅了する、横浜を代表する観光スポットになっています。

◆三日間で昨年を上回る17,000人が詰めかけました。

 さて、肝心の国際画像機器展です。カメラ、レンズはもとより画像処理機器・ソフト、光源に至るまで、内外の最新の機器が一堂に会したイベントです。私は数年ぶりの見学となりましたが、そのスケール大きさには圧倒されました。当社にとってもカメラやセンサーは検査機でお馴染みですが、その精度はここ数年で飛躍的に高まっています。また様々な状況に応じた監視カメラの需要の高まりや、ロボットやクルマの自動運転技術の台頭などもあって、 画像処理機器やソフトも目を見張るほどの進歩を遂げています。専門家ではない私にとって、展示物の内容を理解することなど鼻からあきらめているのですが、 これからのトレンドに触れるという意味で、得るものは多かったと感じています。

◆立ち見も出るほどの盛況さ!ディープ・ラーニングは今最も注目を集めている分野です。

 今回は講演会にも参加してきました。中部大学工学部 ロボット理工学科の藤吉弘亘教授による「Deep Learningによるロボット知覚‐Amazon Picking Challengeにおける取り組み-」です。Amazon Picking Challenge(アマゾン ピッキング チャレンジ)とは、世界的なネット通販大手のアマゾンが主催する、ロボットによるピッキングの競技会です。ピッキングとは皆さんもよくご存知の、伝票に基づき倉庫で様々な商品を取り出していく作業のことです。アマゾンでは商品を発送する上でなくてはならない作業ですが、現在のところ人手に頼らざるを得ないのです。既に限定された商品なら、ピッキングから梱包まで自動化されていることは珍しくなく、多くの倉庫や工場で導入されていることも確かです。  しかしアマゾンで取り扱う商品は、一説によると1億点以上にも上るとか。形状や重量も千差万別です。

 素人が考えても、これらの商品のピンキングを完全に自動化することが、どれほど困難であるかは想像に難くありません。アマゾンでは自社の合理化のためだけでなく、広くロボット技術の発展を促すため、こうしたコンペを主催しているのです。 しかもここで培われた技術やノウハウは、オープンにすることが原則となっています。今年で2回目を迎えたアマゾン ピッキング チャレンジは、6月29日~7月3日にかけてドイツのライプツィッヒで開催され、 昨年に引き続き藤吉教授は中京大学と三菱電機との合同チームで連続出場を果たしました。この時の様子はNHKテレビの「プロフェッショナル」でも紹介されていたので、ご覧になった方もいるでしょう。競技のルールは至ってシンプルです。ランダムに置いてある46品種の商品を箱に入れる「ピックタスク」と、 箱に入った12品種の商品を、幾つかに仕切られた棚に収納する「ストウタスク」の二つです。いずれもスピードと正確性を競います。日本からは藤吉教授のチームを含む4チームが参戦。世界各国から集まった精鋭16チームがロボット技術の粋を競い、最終的にはオランダのチームの頭上に栄冠が輝きました。

 ピッキングを行うには、①対象物そのものを特定し、その位置と形状を正確に認識する。②対象物を確実にグリップし運搬する。 この二つに尽きるのですが、重なり合って置かれた商品を、一つひとつ区分して認識するのは至難の業。ぬいぐるみや袋入りのタオル、はさみや金網のコップ、ダンベルなどなど、質感も重量も大きく異なる商品を安定的に保持するには、 ロボットアームでもバキュームでも困難を極めます。競技の様子は映像も含めて次のURLにありますので、興味ある方は覗いてみてください。
参照:robonews.net(http://robonews.net/2016/07/02/apc_2016/#more-5252)

 人間が全く介在しない自立制御型のロボットには、AIなどに通じるディープ・ラーニング(深層学習)が不可欠なのだそうです。システム自体がデータの特徴を学習し、眼前で起きている事象を認識し分類を行う「機械学習」の手法だとか。既に私の理解の域をはるかに超えてしまっていますが、今後はロボットばかりではなく、クルマの自動運転など幅広い分野に応用されていくのでしょう。当社の梱包工程をロボットが担う日も、そう遠くないかもしれません。今回の講演では、ロボット技術の最先端に触れることのできた貴重な体験となりました。

代表取締役社長
七島 徹

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