柏洋通信
2016.06.17
柏洋通信Vol.18
【6/17 異業種交流・勉強会に行ってきました。】
私は3年程前から「スモールサン」(中小企業サポートネットワーク)という異業種交流・勉強会に参加しています。 この勉強会は立教大学経済学部教授の山口義行先生が主催するもので、全国二十数か所でゼミナールと称する勉強会が開かれています。 山口先生は中小企業の動向に詳しく、NHKの「クローズアップ現代」その他の番組に頻繁に登場し、「日本経済の元気は中小企業の頑張りにかかっている」と語ります。 と同時に、ご自身でも中小企業を支援する様々な活動を行っています。「スモールサン」はそうした活動の一つなのです。
私はとあるイベントで開かれた山口先生の講演を、たまたま聞く機会がありました。その際、先生の「中小企業の社長は、半径1メートル以内の情報でしか経営していない」 という発言にショックを受け、「スモールサン」に興味を持ったのがきっかけでした。半径1メートル以内の情報とは、同業の経営者や取引銀行の担当者との会話から得た情報という意味で、 極めて狭い世界の情報です。一方で先生は中小企業の経営者こそ「マクロ経済に精通すべし」と激を飛ばします。 そして流れの先を「読む力」、様々な情報を掴むための「問う力」、信頼しお互いに協力し合える仲間を作る「つなぐ力」が重要だと言います。
私は自宅が近いこともあって横浜ゼミナールに参加しています。会員は十数名と小ぢんまりとした会ですが、30代から60代まで、 創業者から二代目、三代目、サービス業から建設、我々のような製造業まで、もちろん女性社長も含む多種多様な企業の経営者が集っています。 活動内容は講師の先生から話を聞く座学だけでなく、実際に手や体を動かし議論を戦わす実戦形式。毎回私もたくさんの刺激をもらい、その場で学び気づかされたことを、 会社に帰って取り入れることもしばしばです。
さて、今回は山口先生直々の「2016年度の経済動向と中小企業経営」と題した講演です。 先生は「中国経済の失速により世界経済は“けん引役”を失い、停滞期に入ろうとしています。いよいよ“本格不況”の足音が大きくなり、 既に日本経済にも深刻な影響が出ています」と語ります。アベノミクスの限界が見えてきた今、「歴史的転換点にいることを認識し、 そういう時代感をもって経営に取り組むことが不可欠ですが、皆さんはそのような認識をお持ちだったでしょうか」と警鐘を鳴らします。 デフレからの脱却がようやく見えてきたと安堵した矢先のことだけに、この変化にどのように対応していけばよいのか、予断を許さないとともに、気の引き締まる思いを強くした次第です。
七島 徹