柏洋通信

2018.01.26

柏洋通信Vol.62

  【スマート工場EXPOに行ってきました。】(1/26)

 東京ビッグサイトで1月17日から19日の日程で開催された、第二回スマート工場EXPOに行ってきました。
スマート工場とは、高度なファクトリーオートメーションに加えて、 工場内のあらゆる機器/設備 あるいは工場と工場を通信で常時つなげ、 IoT化することで生産革新を実現する次世代型の工場(主催者HPより)を意味することは、既にお馴染みです。
IoTやインダストリー4.0、AIなどの言葉は、テレビや新聞で目にしない日はないと言っても過言ではないでしょう。
ドイツやアメリカが先行し、日本でも大企業への具体的な導入例が続々と報道されています。
元々は製造業の生産性の向上を前提とした取り組みだと理解していたのですが、 今ではサービスや金融の世界での導入も進んでいるようです。
大企業はもとより、実は中小企業こそがIoTで劇的に変われるのだ、などと聞くにつけ、 最先端を行く工場で今何が起きているのか、何が起きようとしているのか、 自分の目で確かめなければならないという強い衝動にかられました。
また、当社の技術系の役職者にも参加を促し、係長以上全員がスマート工場の今と未来を体感してきました。
彼らにとっても大きな刺激になったと思います。

私は二日目の18日にビッグサイトを訪れました。
まず驚かされたのが会場の人の多さです。
高度な技術に特化した内容だけに、これほど動員力のある展示会は珍しいと感じました。
主催者側の発表によれば、同時開催のクルマやロボット関連までを含めると、11万人以上が集まったそうです。
事前に書籍やネットである程度勉強はしてきましたが、全体像を掴もうと出席したセミナー「AIとIoTが進化させるスマート工場の未来」では、 主催者側の予想を遥かに超える2,000名以上の応募があり、収容できない人たちのために急遽ビデオで視聴できる会場まで用意したとのこと。
これだけでもIoTへの関心が、沸騰していることが分かります。

今回は第一回目の昨年に比べ、出展した企業の数は倍以上に増えています。
会場のあちらこちらで機器のデモンストレーションや、システムのプレゼンテーションが行われ、 多くの来場者が足を止め、熱心に説明に聞き入っていました。
大企業向けの大掛かりで高価なシステムばかりではありません。
従来から使っている古い機器や設備に後付けでセンサーを装着し、そこから得られるデータ―を通信で集約し、 製造ラインの現実の姿を見える化するシステムが数多く展示されています。中小企業にも手が届く、 そこそこの額の投資で工場をスマート化することが可能だと、改めて認識できました。
その他にもAIを駆使し画像処理を高度化するためのソフトや、 AR(拡張現実感)を活用して視線上に様々な情報を投影するスマートグラス(眼鏡)などなど、とても一日では回りきれません。

当社でも日常的に数多くの機器や設備が稼働しています。
そうしたものが何らかの理由で停止することは、積もり積もれば大きな生産ロスにつながります。
IoTの導入で可視化できるから問題点を的確に把握でき、迅速かつ適切な対応が取れるのです。
これから人手の確保が増々難しくなることを考えると、IoTで現在人が直接行っている点検作業を効率化することはもちろんのこと、 機器や設備の異常事態を予測して、トラブルを未然に防ぐ予防保全まで視野に入ってきます。
当社にとって工場のスマート化は夢の世界の話ではなく、目の前の課題を克服するための、極めて現実的な取り組みなのだと理解できました。

代表取締役社長
七島 徹

2018.01.11

柏洋通信Vol.61

  【二本松市の賀詞交歓会に出席しました。】(1/11)

 多くの会社で仕事始めとなった1月5日、二本松市では恒例の賀詞交歓会が開催され、私も出席しました。
今年も二本松商工会議所とあだたら商工会との共催です。
国会議員や県会議員のご来賓も含め総勢300名近くが集まり、新春にふさわしい華やかな会となりました。

冒頭、二本松商工会議所の会頭と二本松市長のご挨拶では、景気は穏やかに持ち直してはいるものの、 まだまだ地方や中小企業までには至っておらず、人口減少はさらに地方を疲弊させること、また福島県は農産物を中心に、 今も東日本大震災の風評被害が続く厳しい状況に触れられました。
こうしたお話を聞くにつけ、今年も決して楽観できない現実を改めて認識した次第。
未だお屠蘇気分の抜けきれぬ私でしたが、経営者として自身の会社の業績ばかりではなく、 地域の発展にもどのように貢献すべきかを考える、またとない機会になりました。

さて、今年の私の目標は、良きにつけ悪しきにつけ、何事も曖昧にせずに決着をつけることです。
そのためにも「とことん、しつこく、あきらめず」を信条に、今年一年頑張って参る所存です。
そして、今年もまた「柏洋通信」をよろしくお願い致します。

代表取締役社長
七島 徹

2017.12.14

柏洋通信Vol.60

 【「国際画像機器展2017」に行ってきました。】(12/14)

 今年も横浜パシフィコで12月6~8日の日程で開催された、「国際画像機器展2017」に行ってきました。
画像機器本体のハード面での発展はもとより、画像そのものの認識技術、 特にディープラーニング(機械学習)を駆使したAI技術の進展が、この手の世界を大きく変えようとしています。
ここ横浜パシフィコを舞台に、画像機器に関する大規模な展示会は年2回行われているのですが、 半年でその内容が大きく変わるとも言われています。
6月に開催された「画像センシング展2017」はスケジュールが合わず、1年ぶりの展示会になりました。
いやがおうにも気持ちが高まります。

さて、今年は「Deep Learning(機械学習)が革新する画像認識」と題するセミナーに参加することができました。
ディープラーニングは正にタイムリーなテーマだけに、会場は多くの人で埋まっていました。
外観検査、異物検査、寸法検査に、人の目の代わりにマシンビジョンを活用することは今や常識です。
カメラや画像認識技術の急速な進化もあって、一定の環境の下、例えば検査対象が同じ製品、  検査対象の面や輪郭をはっきり写すことができる、良・不良の判定基準が明確であり、  個人差が入り込まないでは、かなりの効果が出せるようになっています。

しかしながら実際の製造現場では、このような恵まれた条件は極々まれだと言わざるを得ません。
当社を例にとっても検査の対象物は、小は10ccの化粧びんから大は1ℓのビールびんまで、様々な大きさ、形状の製品が数百種類に及びます。
そもそも対象物そのものがガラスびんですから、光を透過したり反射したりと一筋縄ではいきません。
照明やレンズなど光学的な工夫や、画像処理の技術を駆使しても完璧とはいかず、 どうしても人の目に頼らざるを得ないのが現状です。
当社のみならず、セミナー受講者の熱い視線からも、多くの企業が同様の問題を抱えていることが改めて理解できました。
そこで登場するのがディープラーニングです。
ディープラーニングは機械に人の目と、脳に近い判断能力を持たせます。  世界各地で実証試験が始まっている自動運転技術は、正にこうした最先端技術の集大成なのでしょう。
ここからは専門的な分野に踏み込むので、私自身正確に理解できているわけではありませんが、 クラス分類(画像を一定の基準?ごとに分類する機能)とセグメンテーション(画像の位置と種別を推定する機能)が役立つのだそうです。
これらを駆使した結果、金属板の表面に錆がある、なしを的確に判断できるようになった事例が紹介されました。
錆の色は一定ではなく、しかも汚れとの区別も非常につきにくいものです。
従来の手法ではそこがクリアできませんでした。
今回は誤認識した場合でも、人間が見分けのつかなかった事例ばかりでした。
金属の錆の判定には、ディープラーニングが有効であることが証明されました。

クラス分類とセグメンテーションの手法を活用すれば、画像認識能力は格段に向上します。
例えばある人間を認識する場合、従来は輪郭や色など正面から見た画像から認識していましたが、  現在では多くの人間が映り込んだ街角の画像の中から、しかも斜め後方から見える人物を認識できるまでになっています。
ただし、そうした認識を可能にするためには、膨大な数のサンプル画像が必要なことも事実です。最低でも様々な状況の1万枚を超える画像が必要だとか。
そろえるだけで膨大な時間とコストがかかるため、ディープラーニングが一般に普及しにくい一因にもなっているようです。
とはいえ、コンピュータの進歩も想像を絶するものがあります。
コンピュータが自ら学習し、微妙に異なるサンプル画像を作り出すこともできるようになってきたとのこと。
実在する世界のセレブの顔写真からその特徴を学習し、その上で実在しないセレブの顔写真を大量に作り出した例が紹介されていました。
これには驚かされました。
現実にはないものを創造する能力も持ち始めているとは、AI(人工知能)恐るべしです。
何やら壮大な話になってきましたが、製造現場の検査工程から人が消える日も、そう遠くないと思えるようなりました。

代表取締役社長
七島 徹

2017.12.05

柏洋通信Vol.59

  【8回目の色替えが終了しました。】(12/5)

 11月20日から8回目の色替えに入り、予定通り25日から生産を再開しました。
今回は茶から白(透明)への変更になります。
前回の実績を基に検討した結果、今回の色替えでは幾つかの変更を加えました。
まず溶解炉自体のガラスのレベルを僅かに上昇させ、その後一定の時間を経て元のレベルにまで戻しました。
これは白とは性質の異なる茶色のガラスが、溶解炉内に残らないようにするためです。
また吹製再開に合わせ、溶解炉の底部の温度を若干上昇させました。
これは気泡の発生を抑えるとともに、熔解炉の隅に停滞しやすい結晶化したガラスなどを、出し切る効果を期待してのことです。

詳細な分析はこれからになりますが、生産再開から2週間程度を経た時点では、前回と比較してよりスムーズに立ち上げることができたと見ています。
当社に最適な色替え技術の確立に向け、まだまだ試行錯誤は続きます。

代表取締役社長
七島 徹

2017.11.22

柏洋通信Vol.58

  【56期下期「QC活動実績・進捗レビュー」を行いました。】(11/22)

 56期下期のQC活動のレビューを行いました。
事務局の作業の遅れもあって、本来なら今期に入って直ちに行うものが、第二四半期にまでずれ込んでしまいました。
そのため、成果の総括が疎かなまま、既に新たなテーマに取り組み始めてしまったチームもあり、全体的に統制の取れない状況になってしまいました。
スタッフ不足などの理由はあるにせよ、私を含む会社の幹部はこのような失態を繰り返さないよう、猛省しなければなりません。

さて、現在も日本の多くの企業でQC活動が熱心に進められています。
しかしながら、QC活動が今ほど難しい状況に置かれたことは、未だかつてなかったのではないでしょうか。
同じ職場に正社員とパート、派遣社員、外国人などが混在するため、職場で一体感を醸成すること自体が難しくなっています。
また慢性的な人手不足から、改善に向けた意識を持続することが難しいことも事実です。
同じ職場という閉じられた社会で改善を進めていると、どうしても内向きになりがちです。
世の中の流れからかけ離れてしまうという、恐ろしさも否めません。
このような混沌とした状況を背景に、集団で課題を解決しようとする、 いかにも日本的なQC活動は、従来のやり方では限界が見えてきたのだと感じています。
さて、そんな閉塞感を打ち破るための鍵を握っているのは、実は外国人なのかもしれません。
異なる立場で働く人たちの、異なる視点をそのまま持ち込むことが、突破口になるのではと考えます。
さらに一歩踏み込めば、ITやIoTを駆使してビッグデータを活用することが、ポイントになるのだと思います。

社長としての立場から見ると、残念ながら今回のレビューはたいへん低調に終わったと言わざるを得ません。
事務局の不手際があったにせよ、結局賞に値するチームは現れませんでした。
全体的に見て、多くのチームで問題点の掘り下げ甘く、真に解決すべき問題が絞り込めていません。
先に「解決策ありき」で、活動を無理やりそこに持って行こうとする流れも散見されます。
問題点の認識が曖昧であれば、自ずと対策も的を射たものにはならず、成果も極めて限定的にならざるを得ません。
またQC活動はあくまでボトムアップの活動とはいえ、管理職の適切な関与が必要であることは自明の理です。
今回のレビューでも、その差が成果の差となって如実に表れています。
それでも、慢性的な人手不足が続く厳しい環境にもかかわらず、熱心に活動する従業員の姿には頭が下がる思いです。
今後の活動に期待します。

代表取締役社長
七島 徹

2017.11.15

柏洋通信Vol.57

  【「地方銀行フードセレクション2017」に行ってきました。】(11/15)

 11月9、10日の二日間に渡って東京ビッグサイトで開催された「地方銀行フードセレクション2017」を覗いてきました。
当イベントは全国に販路を広げたい地方の意欲的な食品メーカーと、 百貨店や大手流通のバイヤーを結び付ける目的でスタートし、今年で12回を数えるまでになりました。
「地方から新しい食の風」をスローガンに、当初はわずか5行の主催で始まりましたが、 今年は主催銀行が55行に、出展企業も831社にまで膨らみました。
私が訪れたのは初日9日の午後でしたが、既に多くの関係者で賑わっていました。

このイベントはあくまで出展企業とバイヤーの商談がメインなので、一般の人間は原則として入場できません。  当社の製品のユーザーさんも出展されていることから、私もイベントのホームページから事前登録しようとしたのですが、シャットアウトを食らってしまいました。
そこでどうしようかと思案していたところ、当社の工場がある福島県でお取引のある銀行が、主催者の一つであることが分かりました。
そこで無理を言ってお願いしたところ、ご厚意で招待状を分けていただけることになり、無事入場できた次第です。

イベントも回を追うごとに工夫を重ね、バイヤーにアピールする様々なコーナーが設けられています。
「新商品」だけを集めたコーナーでは、新たな商材を求めるバイヤーの真剣な眼差しが印象的でした。
その他今年新たに登場したのは、創業100年以上の企業を集めた「老舗名店街」コーナーと、 全国から選りすぐりの日本酒を集めた「こだわりの酒」コーナーです。
出展企業や主催者側の視線は、既に全国展開に留まらず、インバウンドや海外市場にも注がれています。
同時に地方自治体や商工会議所の出展も数多く見られ、地域一体となって「食」と「観光」をアピールする動きが顕著だと感じました。
こうした地道な活動が、今後海外からの観光客を地方に誘導することに寄与し、ひいては地方経済の活性化に繋がるのだと納得したところです。

商談のお邪魔をするわけにはいかないので、当社の製品をお使いの全てのお客様にご挨拶する機会は持てませんでした。
それでも南は宮崎県から北は北海道まで、十数社のお客様とお話しできたことは、素晴らしい経験となりました。
「ガラスびんだから素材の風味が生きる」、「保存期間を延ばせるから、樹脂ではなくガラスびんを使っている」「もっと高級感のあるガラスびんが欲しい」  などなど、耳の痛いご意見も頂きましたが、お客様はいずれもガラスびんの特性を良くご存じの上でお使いいただいているのが分かります。
ガラスびん入りのプリンを販売されていたブースでは、 珍しい「とうもろこし」味からご当地名産の「さしま茶」味まで、6種類全ての味見をさせていただきました。
甘いもの好きの私としては、仕事も忘れての至福のひとときでした。
お忙しい中お時間を割いていただきました皆様に対し、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

代表取締役社長
七島 徹

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