柏洋通信

2018.03.29

柏洋通信Vol.68

  【今年も新入社員がやってきました。】(3/29)

 今年は春の訪れが思いの外早く、当社の入社式を行った3月22日には東京の桜は早くも七、八分咲き。
当社の工場のある福島県二本松市ではまだまだ蕾は固いのですが、桜の開花に負けず劣らず、一足早く待ちに待った2名の新入社員がやってきました。

さて今年も入社式に当り、新入社員を前に恒例の話をしました。
一つは「ガラスびんの魅力と優れている点を理解し、ガラスびんを好きになるとともに、ガラスびんに携わる仕事に誇りを持ってもらいたい」、 そしてもう一つは「柏洋硝子の目指す全員参加型の経営を理解し、実践してもらいたい」というものです。

ガラスびんの魅力と優れた点はと言うと、例年は「安全性」「リサイクル性」「人間の感性や情緒に訴える力」、 この3つを上げていたのですが、今年はさらに1つ加えて「安心して捨てることができる」を加えました。
使い捨て社会からリサイクル社会への転換が、あらゆる分野で共通認識になっている昨今、 「安心して捨てることができる」がアドバンテージになり得るのかと、疑問に思われる方は多いことでしょう。
しかし、現在国内でも問題視され始めた「マイクロプラスチック」を考えてみてください。
自然界で完全に分解できないため、膨大な数の微細なプラスチック片が世界中の海を漂っています。
小魚がそれらを餌と一緒に食べて体内に取り込み、食物連鎖の過程でより大きな魚や海鳥に蓄積されます。
その結果、人間にも密接に関係する自然の生態系を破壊することにつながると、欧米では規制の動きが出始めています。
一方でガラスびんはどうでしょう。
決して奨励するつもりはありませんが、海岸にガラスびんを投げ捨てたとしても、潮の満ち引きや波にもまれるうちに、 数年も経れば細かく砕かれ、最後にはきれいな砂になってしまいます。
これは100%自然の素材でできているからこそ。
カリフォルニアにはかつてゴミ捨て場と化していたある海岸が、今では美しいグラスビーチとして観光名所になっているほどです。
これからは、無理なく自然に戻ることのできる素材が見直されると考えるのは、私だけではないでしょう。

柏洋硝子が目指す会社のあり方は全員参加型の経営。
私はそれをサッカー型経営と呼び、野球と比較して毎年入社式の場で話をしてきました。
ところが、ピョンチャンオリンピックを契機に、サッカー型からカーリング型へと考えが変わってきたのです。  サッカーというスポーツは、選手は監督、会社でいえば社長の基本となる戦略や戦術を理解した上で、 ピッチ上では自ら考え、仲間とコミュニケーションを取りながら、ゴールという目標を目指します。
実際の仕事の場面では、監督から逐一指示が飛ぶ野球型より、現場で刻々と変化する状況を睨みながら、 メンバーが相互にコミュニケーションを取りながら判断し、実行するサッカー型の方がしっくりするはずです。

そこでカーリングです。
今回のオリンピックで初めてじっくり見たと言うのが実情です。
銅メダルに輝いたカーリング女子のLS北見は、「そだねー」や「もぐもぐタイム」など、 和気あいあいとした明るい雰囲気で注目されましたが、私には会社や組織がどうあるべきかを考える上で、気づかされることが多かったのです。
刻々と変わる氷の状況を読みつつメンバー間で情報交換し、限られた時間内でそれぞれが意見を出し合い戦術を練る。  そして相手の出方を見て、想定される幾つかのパターンから最善策を選択する。
最後に「そだねー」で全員が納得したら、後は力を合わせて実行に移します。
戦況に応じた自主的な判断の連続は、日頃から自分で考え行動する習慣が身についていなければできることではありません。
単なる仲良しグループではない成熟したチームに、当社が追い求める理想の仕事の進め方や組織の在り方を見た思いがしました。
これから当社が目指す経営のかたちは、もちろん全員参加のカーリング型経営であることを、入社式で宣言しました。

今年も二人の新しい仲間を迎えることができ、経営者としてこれほどうれしいことはありません。
一日も早く仕事や仲間に馴れ、柏洋硝子の一員として育ってくれることを願ってやみません。

代表取締役社長
七島 徹

2018.03.26

柏洋通信Vol.67

  【「第14回 ガラスびんアワード2017」授賞式に出席しました。】(3/26)

◆真中が最優秀賞の『久保田 雪峰』、向かって右が『ファーストエッセンスジン』、向かって左が『NEXT THE HAEVEST2017』。

◆当社も健闘むなしく最終予選で敗退となりました。来年こそはリベンジです。

◆受賞者の皆さん、おめでとうございました。

 去る3月15日、如水会館で開かれた「第14回 ガラスびんアワード2017」授賞式に出席しました。
アワードについては昨年の柏洋通信でも取り上げているので、ここでは詳しい内容は省きますが、 審査委員長にリリー・フランキーさん(9回目)、審査委員にフリーアナウンサー富永美樹氏(6回目)を迎え、応募エントリー数、297エントリー(449本)の中から各賞が決定しました。
3年連続でエントリー数が最高記録を更新するほどの盛況ぶり。
最優秀賞には千寿、万寿で有名な、あの朝日酒造の『久保田 雪峰』が選ばれました。
黒の加飾が施され、重厚なプレミアム感が醸し出されています。
お酒そのものの品質の高さと相まって、瞬く間に完売してしまったそうです。
また優秀賞にはアルケミエ辰巳醸造の『ファーストエッセンスジン』と、福禄寿酒造の『NEXT THE HAEVEST2017』が選ばれました。
アワードの詳細については、日本ガラスびん協会のHPをご覧ください。(http://glassbottle.org/glassbottlenews/1531)
いずれの受賞作も甲乙つけがたい力作揃いです。
今回は例年以上に中身の価値をより高める、デザイン力の際立った作品が選ばれたのではと感じています。
こうした力は正にガラスびんだからこそ。
他の素材の容器には決してまねのできない、ガラスびんだけが有する大きな魅力だと思います。

さて、当社も今回のアワードにはエントリーしているのですが、残念ながら昨年に引き続き最終予選であえなく敗退となりました。
まだまだ中身の価値を高めるまでには至っていないのか、反省至極です。
来年こそは最優秀賞を目指し、また一から地道な努力を続けていきます。
リリーさん、富永さんはともに当アワードの審査を長く務められてきたこともあって、すっかりガラスびん通になりました。
時に審査委員の立場を離れ、一ガラスびんファンとしかとれないコメントも多く、終始笑いの絶えない楽しい授賞式になったことも付け加えておきます。

代表取締役社長
七島 徹

2018.03.23

柏洋通信Vol.66

  【9回目の色替えを実施しました。】(3/23)

 2月28日から3月4日の日程で、9回目の色替えを実施しました。今回は白から茶への転換になります。
今回は色替えに先立ち、製びん機にガラスを供給する個所に使われている、 スパウトと呼ばれる耐火物を交換する作業を行ったため、今までとは異なる手順になりました。
そのため、従来のスケジュールより1日多く費やすなど、慎重に作業を進めました。
色替えの過程では一時的に多くの泡の発生が見られましたが、生産再開の時点では十分に治まり、概ね順調に推移したと考えています。
その後12日には、今回の色替えの結果を検証するため、熔解技術向上プロジェクトを開催しました。  このプロジェクトは色替えに関するノウハウを蓄積するため、外部から有識者を講師として招き、毎月実施しているものです。
私も可能な限り出席しています。
講師の先生からは、色替えに限って言えば、当社のスタイルはほぼ固まったとの発言がありました。
今後はよりスムーズな生産の立ち上げや、熔解炉の自動制御など、さらに生産性を高めるための取り組みに軸足を移すべきとのご指摘も受けています。
当社としてやるべきことはまだまだあると、プロジェクトのメンバー一同、決意を新たにしたところです。



代表取締役社長
七島 徹

2018.03.16

柏洋通信Vol.65

  【FOODEX JAPAN2018 第43回国際食品・飲料展に行ってきました。】(3/16)

◆今年のフーデックスでも多くのお客様との出会いがありました。

◆内外から食品と飲料・お酒のプロたちが集結しました。

◆「福島プライド」は福島のおいしさと品質の証です

◆海外からの出展はガラスびんが主流です。センスの良いデザインが目白押し。我々も負けてはいられません。

 今年も3月6日から9日までの日程で、フーデックス2018が幕張メッセを会場に盛大に開催されました。
今年で43回目を迎える食品と飲料のアジア最大級の展示会として、国内のみならず、年ごとに海外からの出展者も増えています。
今回は83の国と地域から3,400社以上が集まり、会場も11ホールに及ぶ広大なスペースとなりました。
商品の展示に留まらず、各種アワードやセミナーなど、注目のイベントも目白押しなのですが、とても1日では見て回ることなどできません。
今年は仕事の都合で7日にしか行くことができず、海外からの出展ゾーンはほぼ素通り状態ですし、セミナーにも参加できないなど、 私に中ではもやもや感が残るフーデックスになりました。
それでも食品と飲料のこれからのトレンドに触れることができたり、新たなお客様との出会いもあって、貴重な一日になりました。


これだけのスケールだけに、来場者数も4日間で72,000人以上と群を抜いています。
会場の混雑も半端ではありません。
人気のブースでは、試食や試飲のために長蛇の列ができています。
じっくりバイヤーと商談する時間がとれないと嘆く出展者の方々の声も聞こえてきます。
他の同様の展示会に比べ、海外からの出展者の数がはるかに多いこともあって、 当社のお客様の中には敢えてフーデックスには出展しないという方々がいらっしゃることも事実です。
とはいえ、中部地区で当社のガラスびんをお使いいただいているあるお客様は、ハラルの認証を取得しアジアのマーケットを見据えているからこそ、 フーデックスへの出展は意義があるとおっしゃいます。
さらに国内の出展者が集中する9,10,11ホールではなく、わざわざ海外の出展者と隣接するブースを選ぶほどのこだわりようです。


さて、当社のお客様が数多く出展されている9,10,11ホールは、海外の出展者が集まる1~8ホールからいったん外に出た別棟にあるのですが、 こちらも大勢の来場者で賑わっていました。
地方自治体が主体となって出展者を募り、地場の食材を活かした様々な製品が並んでいます。
今回我が福島県は「ふくしまプライド」を銘打って、会津、中通り、浜通りから28社が集結しました。
震災からまる7年を経た今も、風評被害が払しょくできたとは言えない現実があります。
様々な試みを続けながら消費者の信頼を取り戻さなければならず、当社としても微力ながらお手伝いができないかと思うところです。
今年のフーデックスでも、当社の製品をご愛顧いただいている多くのお客様とお会いすることができました。
お忙しい中、貴重なお時間を割いていただきまして、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。





































代表取締役社長
七島 徹

2018.02.23

柏洋通信Vol.64

  【ガラスびんフォーラム創立50年記念祝賀会が開催されました。】(2/23)

◆冒頭の小西ガラスびんフォーラム会長の挨拶では、会員各社の社長も壇上に並びました。

◆素晴らしいジャズの演奏に酔いしれました。

◆最後は大久保社長の関東一本締めで、大盛況のうちに終了しました。

 2月16日、ガラスびんフォーラムの創立50年を祝う祝賀会が、品川プリンスホテルで盛大に開催されました。
ガラスびんフォーラムとは、ガラスびん中小メーカーで構成する団体で、 1967年12月に全国自動壜工業会として、当社を含む9社で産声を上げました。
その後1990年3月に現在の名称に変更し、50年を経た現在は、 医薬品、食品、お酒、化粧品など、各社がそれぞれの得意分野で活躍する7社で構成されています。
その間1990年にガラスびんの生産量はピークを迎えますが、残念ながらその後市場ニーズやライフスタイルの変化に伴い、 ガラスびん需要はダウントレンドが続いていると言わざるを得ません。
それでもガラスびんの持つ安全性や高いリサイクル性、そして何より他の容器が持ちえない確かな存在観や高級感は、 多くの消費者に支持され続けています。

さて、当日は経済産業省をはじめ、多くの関係団体や日頃お世話になっている企業の皆様にお集まりいただき、 賑やか中にも和気あいあいとした雰囲気の祝賀会となりました。
ご来賓のご祝辞では、現在ホットな話題となっている、マイクロプラスチックによる海洋汚染に触れられたものもありました。
廃棄物となったプラスチックは完全に分解されることなく、微細な破片となって海中を漂い、 それらが食物連鎖の過程でより大きな魚に蓄積されていく現象が問題視されています。
ヨーロッパの一部では、樹脂容器のリサイクル率をもう一段引き上げる措置や、 課税を含む様々な規制を検討している国があるとか。
ガラスびんの持つ元々の特性は、一般消費者の間でも理解は進んでいると思いますが、 仮にガラスびんが海洋に廃棄物として投棄されたとしても、波間を漂う内に次第に細かく分解され、 最終的には無害な砂に変わっていくことは、意外に知られていない事実だと思います。
ガラスは割れるからこそ原料としてまた窯に戻るし、海の砂にも帰るのです。
これからは無理なく自然と同化できる容器が、新たな選択肢になるのでは。
そう考えると、何やらわくわくしてくるのは、ガラスびんメーカーの社長だけではないでしょう。

その後はテーブルを越え、グラスマン同士の歓談の輪が広がります。
そして、関根敏行トリオをバックに河埜亜弓さんの素晴らしいボーカルで、 祝賀会のボルテージは一気に最高潮に達しました。
大いに盛り上がりを見せた祝賀会も、いよいよ終わりの時が近づいてきました。
これまでの50年に感謝しつつこれからの50年に向け、ガラスびんフォーラムのみならず、 ガラスびんに関わる全ての団体、企業、そして関係者の方々の繁栄を祈念し、華やかに関東一本締めでお開きとなりました。
最後になりましたが祝賀会の開催に当たり、小西ガラスびんフォーラム会長をはじめ、 お手伝いいただきましたスタッフや事務局の皆様に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

代表取締役社長
七島 徹

2018.02.02

柏洋通信Vol.63

  【みやぎ食品・飲料販路開拓展示商談会に行ってきました。】(2/2)

◆及川社長のお話では、東日本大震災で4つの工場のうち、3つが津波で流されてしまったそうです。ようやく再建に目処がつきつつあるとのことで、当社のガラスびんがお役に立てばうれしい限りです。

◆最近ガラスびんをリニューアルされ、新製品の「大葉のジェノベーゼ」を市場に投入。粟野代表、大ヒット期待しています!

◆トマトにとことんこだわるデリシャスファームの今野専務。新製品の「トマトジュレ」にモンブラン140を採用していただきました。

◆当日は多くのバイヤーが詰め掛け、地元テレビ局の取材も入っていました。別の開場では個別の商談会も行われていました。

◆三陸オーシャン様は海鞘(ほや)一筋。「独特の香り」が魅力の海鞘ですが、流通の方法が悪ければ、それが「臭い」に変わり敬遠されます。木村社長は本当の海鞘をもっと知ってもらいたいと、意欲的に取り組んでおられます。

◆(株)ファーマーズ・フォレスト松本社長。社長自らの実践に基づく貴重なお話に、多くの気づきをいただきました。

 1月30日、宮城県仙台市のみやぎ産業交流センター(夢メッセみやぎ)で開催された、みやぎ食品・飲料販路開拓展示商談会に行ってきました。
このイベントは、宮城県内の農産・水産品と、それらを活用した加工食品や飲料の販路拡大を目的に、日本全国はもとより、 海外のマーケットをも見据えたビジネスマッチングの場として企画されたものです。
出展者はいずれもそれぞれの地元で頑張っている企業ですが、こうした機会に慣れていないところも多く、 海外への販路開拓にはジェトロが、国内の販路開拓には「フーデックス」で定評のある日本能率協会が全面的にサポートしています。
会場には80社以上が集まり、バイヤーたちとの商談にも熱が入ります。
当社の製品をお使いのお客様にも、しっかりご挨拶してきました。
商談でお忙しいところ、快くご対応いただきまして、この場を借りて、改めて御礼申し上げます。



同時に「食」に関するセミナーも開催され、当社のお客様でもある(株)ファーマーズ・フォレストの松本代表取締役が、講師として登壇されました。
松本さんは(株)ファーマーズ・フォレストの社長として、栃木県の道の駅「ロマンチック村」を中心に、地場の産品を活用した商品を幅広く展開されています。
当社もそうした中の一つである、クラフトビールでお世話になっています。
地域に根差した事業は物販に留まらず、こと消費を促すイベントの企画・運営や、全く新しい体験型旅行の提供など、我々の常識を遥かに超えて広がりを見せています。
松本さんはこうしたビジネスマンの顔を持つ一方、「農業と食、地域資源を結ぶ総合プロデューサー」として、地方を活性化するコンサルタントとしてもご活躍されています。
今回は「地方創生時代の集客方法や、稼ぐ仕組みづくりについて」のタイトルで、1時間超お話されました。
当社とは分野は異なるものの、幾つかのヒントをいただいと感じています。



「プロダクトインからマーケットイン」と言われて久しいですが、本当の顧客はだれなのか。
顧客の話は聞いているつもりでも、顧客の本当のニーズを掴んでいるのか。
松本さんのお話を伺いながら、当社の新製品開発の過程で、ここまで突き詰めてきたのか、自分たちの独りよがりになっていないか、改めて考えさせられました。
もう一つ、気になるエピソードを伺いました。
松本さんの会社では「大谷アンダーグラウンド」という体験型の旅行を企画していますが、大変好評だそうです。
栃木県の名産にかつて大谷石がありました。
現在は建築の志向も変わり、需要はすっかり落ちてしまいました。
石を切り出した現場は今や多くが廃坑と化し、地元ではすっかり負の遺産だと思われていました。
ところが、廃坑の奥深くに水が溜まり、まるで地底湖のような幻想的な風景が広がっていたのです。
これが新たな観光資源として蘇りました。
自社の持つ魅力や価値をきちんと理解し、活かしているのかを問われていると、「ハッとした」瞬間でした。
ここ「夢メッセみやぎ」では、新たなお客様との出会いと、柏洋硝子を見つめ直す貴重な機会をいただきました。















































代表取締役社長
七島 徹

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