柏洋通信

Vol.21-40

2016.09.03

柏洋通信Vol.25

  【第56期キックオフミーティングを開催しました。】(9/3)

 第56期のスタートに当り、8月27日にキックオフミーティング開催しました。

 当社のような溶解炉を持つ業態では、交代勤務制が不可欠です。その結果として全社員が一堂に会することは事実上不可能です。 全員が集まるためには操業を停止するしかありませんが、それでも溶解炉の火は消すことができないことから、最小限とはいえ保安要員が必要です。今回は25日から始まった色替えの最中ということもあって、生産は休止していることから9割程度の従業員が出席することができました。 それでも色替えのために流れ出るガラス素地を処理する役割と、溶解炉の保安・監視業務に従事する十数名には会社に残ってもらわなければなりませんでした。彼らに対して会社を代表して、改めてこの場で感謝の意を表したいと思います。

 さて、キックオフミーティングは1部と2部の構成です。1部は私を含む幹部社員が前期の振り返り、今期56期の目標を発表しました。 またQC活動、永年勤続者、改善提案活動の表彰式を執り行いました。今回私は「クレームの根絶と2%の改善で、持続的な成長を勝ち取ろう」と題して30分程話をしました。前期は窯修を行い、さらに白から茶、茶から白への色替えを、まだまだ改善すべき点は多いといえども、成功裏に終わらすことができました。 第55期は当社にとって大きな転換期となり、将来に向け得るものはすこぶる多かったと考えています。しかしながら、決して順風満帆ではなかったことも確かです。私は「良かった点と悪かった点が交錯した1年」であったと総括しました。第56期のスタートに当り、クレームを根絶してお客様の信頼を強固なものとし、持続的な成長を確実なものにするために、 営業も工場もそれぞれの持ち場で2%の改善に取り組むことを、全員で確認しました。

 こうして1部は終了し、会場を移して2部の労働組合主催の懇親会へと進みます。先ほども述べた通り、4直3交代勤務制をとる当社では、所属する班によっては事実上お互いに顔を合わせることのできない人たちが存在します。 そのため、今回のように従業員が一堂に会するイベントは、経営上は問題があるとはいえ、従業員同士の交流を深める上でなくてはならない機会だと考えています。乾杯のあいさつもそこそこに、ビール片手に次々とテーブルを回る人がいます。 たちまちあちらこちらで人の輪ができ、普段は遠く離れた本社の人間も、躊躇なくその輪に加わります。 カラオケに合わせて手拍子が始まり、いつしかそこに大勢の歌声が重なります。予定していた2時間はあっという間に過ぎ、一本締めでめでたく大団円を迎えました。

代表取締役社長
七島 徹
 
◆社長、工場長他から第55期の振り返りと、第56期の目標が発表されました。


◆100名以上の従業員が一堂に会し、達成すべき目標を共有しました。


◆場所を宴会場に移し懇親会が開催されました。グラスマン、グラスウーマンは誰もがお酒大好き。大いに盛り上がりました。

2016.08.12

柏洋通信Vol.24

  【8/10第56期がスタートしました。】(8/12)

 7月31日をもって当社は第55期を終了し、8月1日から第56期がスタートしました。 当社の歴史も新たに56年目を迎えたことになります。前期の第55期は第一工場の窯修を経て、従来の二窯体制から色替えを伴う一窯体制に変わりました。 これは数年前から進めてきた3本の生産ラインを150名で運営する、社内では「3・150プラン」と呼んでいる計画の集大成となるものと考えています。 効率的な経営をとことん突き詰めていく過程でこの形に行き着いたことは、既に柏洋通信VOL1でご紹介した通りです。

 さて、第55期は一窯体制の下で茶から白、白から茶へと2回の色替えを実行に移し、当社にとって計り知れない大きな経験を積んだ期でした。 色替えについてはまだまだ改善すべき課題は多いといえども、取りあえず現時点では成功裏に終えることができたと考えています。 業界内でも注目集めたこの事業に一定の目処をつけたことは、当社の技術力や人材力が、他社に比べて決して劣っていない証拠だと考えます。

 一方でお客様の期待にきちんと応えられたかと問われれば、残念ながら疑問を呈さずにはいられません。納期や品質の面でご迷惑をお掛けしたことは否めない事実として、我々は真摯に受け止めなければなりません。第56期はいくつかの課題を持ちこしてのスタートとなりました。 明確になった課題を一つひとつつぶしていくことが、お客様の信頼を勝ち得る唯一の手段だと考えます。 一人ひとりがお客様の方向に視線を合わせ、役割と責任を全うしていきます。

代表取締役社長
七島 徹

2016.08.08

柏洋通信Vol.23

  【7/26福島工業高校 校内企業説明会に行ってきました。】(8/8)

 大学生の就職活動は早くも終盤戦を迎えようとしていますが、高校生のそれは正にスタートしたばかり。 夏休みといえども就職を志す高校3年生にはほとんど休みらしい休みはなく、猛暑の真っ只中、就職に関する様々な行事が目白押しです。

 さて、県内の高校が一斉に夏休みに入った丁度その日、福島工業高等学校で企業説明会が開催されました。私も採用担当者と二人で昨年に続いて参加しました。ご多分に漏れず、当社もここ数年は慢性的な人手不足で悩んでいます。 昨年は何とか高校生の新卒を3名採用することができましたが、今年も厳しい状況が予想されます。今回は県内外からネームバリューの高い大手企業から、我々のような地元中小企業に至るまで、昨年を上回る総勢58社が集結。 午前と午後に分かれて生徒たちに、自社の魅力を懸命にアピールします。

 当社は午前組です。まず講堂で生徒と企業を前にして、校長先生のご挨拶に続き就職担当の先生から説明会の注意点などのお話がありました。 その後企業は指定された教室に分かれ、自社のブースで生徒たちを待ちます。その間に各社は会社案内や製品サンプルを並べたり、ビデオの準備に余念がありません。 お隣の会社はプロジェクターまで持ち込んで、既に臨戦態勢に入っています。お互い生徒を争奪するライバル同士ですから、一見和やかな雰囲気の中にも緊張感が漂います。

 いよいよスタートです。説明に費やせる時間は1回30分×3セットでトータル90分。 生徒たちは午前3社、午後3社に絞り込み、志望する会社のブースに赴き説明を聞くことができます。第一回目は「よろしくお願いします」の声とともに、3名が当社のブースに来てくれました。 その後の2回目は4名、そして最後の3回目には5名、総勢12名の生徒たちと話をすることができました。

 今ガラスびんから最も遠い場所にいるのが、彼ら高校生だと感じています。彼らが日常的に利用するコンビニにでは、お酒や栄養ドリンクを除くとガラスびんに入った商品は皆無と言っても良いほどです。 そんな彼らにガラスびんの魅力や可能性を伝えるには、何を語れば良いのか、これは難問です。リサイクル性の高さや、内容物の品質を保持する力は他の素材の容器より優れていることはもちろんです。 が、今回はそれ以上に、ヨーロッパのような文化的に成熟した社会にはガラスびんが良く似合うし、日本もこれから同じような道を歩んでいくのだということを強調しました。 そして、容器自体で内容物の価値を高めることができるのは、唯一ガラスびんだけの特筆すべき力であるとも語りました。そして最後に語ったことは、廃棄された後のことです。原料の70%以上がカレット(屑ガラス)として再利用されていることとは別に、単に捨ててしまった場合はどのようなことになるのか。 これは決してやってはいけないことですが、仮に海岸でガラスびんを投棄したとすると、どうなるのでしょうか。 潮の満ち干によって次第に細かく砕かれ角も丸くなり、やがて最後には砂に戻っていきます。 原料は全て天然素材ですから全くの無害です。カリフォルニアにはかつてのゴミ捨て場が、今では美しいグラスビーチに変貌しているところもあるほどです。 昨今海洋を漂う大量のマイクロプラスチックが問題視されていることを考えると、これはガラスびんにとって大きなアドバンテージなると考えるのですが。

 企業説明会はこれから幾つも開催されますが、こうした地道な主張を繰り返すことで、将来当社を担う新たな戦力を迎えることができれば望外の喜びです。

代表取締役社長
七島 徹

◆会社案内や実際に業務内容を撮影した映像に、熱い視線が注がれました。


◆メモを取りながらの質疑応答が続きました。生徒たちの真剣さが伝わってくる瞬間です。

2016.08.01

柏洋通信Vol.22

  【セールスフォースを導入しました。】(8/1)

 セールスフォースとは、一口に言えばクラウドサービスを利用する営業支援ソフトです。まず昨年の8月から営業部門の全員で使い始め、 7月11日から工場の生産と品質管理に携わる係長以上にも範囲を広げました。当社の営業の最も大きな問題点は、お客様に関する様々な情報、例えば担当者の情報や履歴、クレームの情報などが、 個々の営業マンによって独自の手法で管理され、完全にブラックボックス化していたことだと考えています。日報というカタチで記録は残しているのですが、後日効率的に検索する術がなく、時間がたてば過去の貴重な財産にもかかわらず、 利用されることは極めて難しいというのが実情でした。こうして長年に渡って蓄積されてきた情報が、ベテラン営業マンの「経験と勘」を引き出すデータベースとしての価値は持つものの、 営業部内で積極的に活用しようにもできない状況だったのです。 セールスフォースは正にこの点にフォーカスしたところに、意義があると思います。私は導入に当って以下の3つのメリットがあると考えています。

1、ベテラン営業マンの頭の中を見える化
 ベテラン営業マンの商談内容や訪問件数が見える化できることで、ベテラン営業マンのノウハウが営業部内で共有化され、 営業マンの仕事を一定の水準で標準化できると考えます。従来の経験則だけに頼らない、営業マン育成のエッセンスが見えてくると思います。

2、情報が全てお客様にひも付けされる
 出荷情報、商談情報、売上情報、クレーム情報などなど、あらゆる情報が一元管理され、最終的には全てお客様にひも付けされます。 過去の情報は着実に蓄積され、膨大なデータベースとなって未来に生かされます。しかも原則として全員がアクセスできるのです。

3、営業も製造現場も、ともにお客様視点で
 今回工場にも導入したことによって、製造現場でもお客様情報をより迅速に共有できるようになりました。 営業とお客様のやりとりをリアルタイムで確認できることから、現場の動きに変化が現れることを期待します。 工場も営業と同じ視点でお客様と向かい合うことができれば、お客様の満足度も以前とは違ったものになるはずです。

 工場でのセールスフォースの活用は、まだ緒についたばかりです。製造する製品に応じてお客様情報にアクセスすることはもとより、 タブレットを駆使して現場で製造、品質情報を共有したり、様々なチェック業務をより効率的にデータ化し活用することも可能です。 どのように発展していくのか、これからが楽しみです。

代表取締役社長
七島 徹
 
◆インターネットを介してデータベースにアクセスするので、事務所のパソコンはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットを使って外出先や製造現場でも活用できます。

2016.07.19

柏洋通信Vol.21

  7/19【6/29 Drink Japanに行ってきました。】

 6月29日から7月1日まで、東京ビッグサイトで開催された「第1回 Drink Japan飲料・液状食品開発 製造展」に行ってきました。このイベントは、医薬品、化粧品、洗剤の研究・製造技術展である「第29回 インターフェックス ジャパン」と同時開催され、 医薬品、健康食品、化粧品などの液状化製品に関連する原材料、製造機器から各種容器、受託製造メーカーまで、幅広い業種が出展していました。また飲料に関する多種多彩なセミナーも数多く開催されており、私は今回特に興味を引いた「容器・包装開発の未来像~あるべき姿とは?~」を受講しました。 因みに顔なじみのキャップメーカーや同業者の顔もちらほら見受けられ、業界の関心の高さが窺えました。

 今回の講演は日本コカ・コーラの「コカ・コーラが考える容器の姿 コンツアーボトルから2020年Visionに向けて」とサントリーの 「サントリーの包材設計におけるサスティナブルの取り組み」の2本立てでした。スペースの都合もあるので、ここでは日本コカ・コーラの松岡氏の講演に絞ってお話ししましょう。さて、飲料の容器の主流がペットボトルに移って久しいですが、その快進撃は1996年に500ml以下の小型ペットボトルの業界自主規制が撤廃されて以降になります。 それ以前の1985年では、ガラスびんが日本コカ・コーラの全飲料に占める比率は実に50%以上。その後缶に逆転されますが、前述の1996年を契機にペットボトルが増加に転じます。 さらに消費者の「持ち歩いて飲みたい」の欲求を受け、2000年代に入ると缶にとって代わりペットボトルが台頭、2014年時点ではペットボトルが79%を占めるまでになりました。 因みに我がガラスびんは僅か1%程度と残念な状況になっています。

 コカ・コーラは全世界で飲料を世界で一番売っている会社です。それはイコール世界で一番容器を使って、排出している企業でもあるのです。 そこでコカ・コーラでは「地球と人にやさしい容器」を標榜し、容器やキャップメーカー他をリードして、ペットボトルのリサイクルに積極的に取り組んできました。軽量化(Reduce):原材料の使用量をできるだけ少なくする。再利用(Reuse):使い終えたパッケージは資源として回収し、できるだけ再利用する。 再生利用(Reuse、Recycle)回収したパッケージはできるだけ再利用・リサイクルして廃棄しない。 こうした取り組みの進化した形として、Bottle to Bottleを実現するメカニカルリサイクルを2015年より導入。 一方でPETを作るための原料となるレジンのエチレングリコール分に、再生可能資源である植物由来の原料(30%程度)を使ったプラントボトルも2010年から採用しています。 現在は食用の植物から抽出した糖蜜など使っていますが、将来的には食糧難にも対応するべく木材の端材や植物の茎など、比可食の原料での研究も進めています。

 今回の講演を聞くまでは、正直ペットボトルのリサイクルがここまで進んでいるとは知りませんでした。 リサイクルとはガラスびんの専売特許でも、アピールポイントでもなくなりつつあることを、改めて実感したところです。とりわけ飲料の分野では、ペットボトルの流れが今後大きく変わることはないでしょう。それでは我々は、どのような分野を伸ばしていけばよいのでしょうか。 キーワードはやはり「中身に対する付加価値」だと考えます。ガラスびんだから可能になる自由な形状や多彩な色味、そして適度な重量感はペットボトルにはない魅力です。今回の講演を受講して、飲料の分野におけるペットボトルの圧倒的な存在感にはめまいを覚えるほどでしたが、 ガラスびんの立ち位置を改めて見直す機会になったという点で、貴重かつ有意義な体験であったと感じました。

※当文章の作成に際し、当日講演会で配布されたレジュメを参考にしました。

代表取締役社長
七島 徹

◆当社のお客様も出展されていました。

 
◆医薬品、健康食品、化粧品などに関する幅広い業種が出展。初日に関わらず大勢の人たちが詰めかけました。

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