柏洋通信
2018年12月
2018.12.07
柏洋通信VOL83
ガラスびんフォーラムの例会に出席しました。
11月28日、大阪で行われた「ガラスびんフォーラム」の例会(社長会)に出席しました。「ガラスびんフォーラム」とは当社を含む東西7社、主に中小のガラスびんメーカーで構成する団体です。今年の2月に創立50年を祝う祝賀会を開いたことは、柏洋通信のVOL64でも紹介したので、覚えていらっしゃる方もおられるでしょう。ガラスびんの需要を伸ばすことを第一の目的とし、年に4回ほど各社の社長が集まり、情報交換や議論を重ねる場として例会を催しています。平成最後となる例会は、大阪での開催となりました。
今回の会場は今年7月にオープンしたばかりの「CuteGlass Shop and Gallery(キュートグラス ショップ アンド ギャラリー)」(大阪市中央区伏見町2)です。通常大阪開催の例会は貸会議室を利用しているのですが、今回は現在当フォーラムの会長を務める日本精工硝子さんの小西社長から、「CuteGlass Shop and Gallery」のお披露目を兼ねて、この場所で行いたいとのオファーをいただいていました。そもそもここは日本精工硝子さんの製造するガラスびんと、同社が開発したスキンケア商品を販売するアンテナショップとして生まれました。建物は小西社長の御親戚が実際に住まわれていた、大正時代の古民家をリニューアルしたものです。
会合に先立ち、小西社長自ら店舗とギャラリーを案内していただきました。日本精工硝子さんは傑出した技術力で、デザイン性の高い製品を市場に送り出してきた会社として業界で名をはせています。ここはスキンケア製品ばかりでなく、そうした製品(空びん)を常時120種類以上取り揃え、一般の方々が1本からでも購入できるという意味で、日本では唯一といってもよいショップです。同時に小西社長の貴重なコレクションであるアンティークなガラスびんも展示されており、ギャラリーとしても文化的価値の高いものだと思います。建物自体も単なる古民家の再生ではありません。元の姿を継承しつつ耐震性などの安全性を確保し、さらに店舗やオフィスとして活用できる実用性も兼ね備えています。その上でシンプルかつモダンなデザインに仕上がっており、訪れる人々の中に建築ファンが多いというのも頷けます。日本精工硝子さんのガラスびんにも通じる「こだわり」を見たのは、私だけではないでしょう。ここは小西社長のガラスびんへの強い思い入れを、感じることのできる空間でした。
当社が福島県二本松市に工場を移して今年で50年を迎えました。このところマイクロプラスチック問題が急速にクローズアップされ、ナチュラルな素材であるガラスびんへ追い風が吹くのでは、との見方もありますが、実際のところそれほど簡単な話ではないでしょう。ガラスびんの魅力や安全性をアピールするために、地元で我々自身に何ができるのか。日本精工硝子さんのチャレンジを目の当たりにし、考えさせられることの多い例会でした。
七島 徹
2018.12.04
柏洋通信VOL82
12回目の色替えが終了しました。
10月26日から30日の日程で12回目の色替えを(茶⇒透明)実施しました。ヨーロッパ視察の報告が思いのほか長くなり、タイミングを逸してしまいましたが、現在順調に透明びんの生産を続けています。今回もこれまでの色替えと大きく変わるところはありませんが、吹製を停止する直前の生産量が90㌧を超え、比較的多かったことから、段階的に投入する色替え原料の投入時間を調整しました。また前回の色替えでは、溶解炉のスロート付近の温度が想定より20度程度高めとなりましたが、それが気泡の発生に繋がった考えられることから、今回は温度の上昇に合わせて早めにアクションを起こし、温度管理により慎重を期しました。結果として生産再開後、一時的に気泡が多発する事態が起きたものの、短期間で収束し大きな問題にはなりませんでした。色替えから1カ月を経た現在、ガラス素地は良い状態を維持できていると考えています。
七島 徹
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