柏洋通信
2021.08.23
柏洋通信VOL126
定年退職者慰労会を開催しました。
8月19日、全国的にコロナの感染拡大第5波が猛威を奮う中、二本松工場で定年退職者の慰労会を開催しました。例年であればホテルの宴会場で、定年を迎えられた方々を囲む会を盛大に行うところですが、この状況の下ではそのようなことを言っていられません。福島県も現在一部の地域にまん延防止重点措置法が発令され、お盆の帰省をはじめ、人々の集まる様々なイベントが自粛に追い込まれています。幸いなことに、工場の立地する二本松市は対象地域外ではあるのですが、今回はやむなく工場の会議室を会場に、出席者も絞り込み、飲食を伴わない形でセレモニーのみを行うことにしました。
人生ままならないことが多いのは、64年間生きてきた私自身がよく理解しているつもりではありますが、ことコロナに関しては、全く想定外の出来事であるのはもちろんのこと、発生から1年半以上が経過しているにも拘らず、最終的にどのような形で終焉するのか、未だに想像すらできないことに驚くばかりです。本来であれば定年を迎えられた方々に、会社への多大なる貢献に対して感謝の意を表するとともに、飲食をともにしながら、これまで共に培ってきた様々な思い出に話を咲かせる、有意義かつ貴重な時間になるはずであったこの会が、このような形にならざるを得ないことに、残念でならない思いでいっぱいです。そして改めてコロナに対する怒りがこみ上げてくるばかりか、この間打つ手打つ手が全て後手に回っている政府の対応にも、憤りを感じざるを得ません。
「人生100年時代」と言われるようになってもう久しいですが、社会人となり定年を迎えるまでを人生の第一のステージと呼ぶならば、私は以前から人生の幸せとは、実は第一のステージ以上に定年以降の第二、第三のステージが充実してなんぼのものと考えています。そこで定年を迎えられた方々を囲む会も、しばらく前から「定年退職者慰労会」ではなく、むしろ「セカンドキャリア(第二のステージ)のスタートをお祝いする会」とするべきではと考え、社内でもそのように話してきました。同時に定年後も引き続き当社で第二のステージを迎えられる方々が増えている現在、経営者としての私に、充実したステージを提供できるかが問われているとも感じています。
私は定年を迎えられた方々への挨拶の結びで、第一のステージを無地に終えられたことを労う意味で、必ず「ハッピー・リタイア」という言葉をお贈りしています。今回も39年と7ヵ月に渡って勤め上げられた鈴木靖さんに、心を込めてこの言葉をお贈りしました。
七島 徹