柏洋通信

2017年03月

2017.03.27

柏洋通信Vol.45

  【入社式を執り行いました。】(3/27)

 3月21日、入社式を執り行い、今年も2名の新入社員を迎えました。
例年入社式は、社長として若い力を迎えることができた喜びを噛みしめる場ではありますが、 同時に彼らの将来を託された責任の重さを痛感する場でもあります。
あらゆる面で変化の激しいこの時代、確実な道しるべなどないも同然ですが、 少しでもその歩みを確かなものにするため、全方位にアンテナを巡らせながら、一歩一歩進んでいく決意を新たにしたところです。

さて、新入社員を前にして話す内容は、毎年ほぼ次の二つです。
一つ目は当社の生産しているガラスびんの魅力と優れている点を理解し、ガラスびんを好きになると共に、 社会的にも意義のあるガラスびんを供給する仕事に誇りを持ってもらいたいということ。
二つ目は、当社は全員参加のサッカー型経営を目指しているということ。
私は常々従業員一人ひとりが仲間と密接にコミュニケーションを取りながら、 変化に即応しつつ目標に向かっていく体制にしていきたいと考えています。
今年も新入社員に理解してもらうことが第一ですが、改めて同席している幹部社員や、私自身に言い聞かせるつもりで話しました。

今年はスポーツマンの二人が集まりました。
根本耕平君はクラブチームに所属してサッカーに打ち込み、センターバックとして活躍してきました。 練習場が遠かったこともあって、放課後にお母様が毎日車で送迎してくれたことに感謝していました。
青木将之君はウエイトリフティング部に3年間所属し、インターハイや東北大会で活躍。
小柄ながらがっちりとした体形に、厳しい練習に打ち込んだ様子がうかがえます。
いずれもスポーツで培った体力や忍耐を、当社で活かしてもらえるものと期待しています。

代表取締役社長
七島 徹

2017.03.23

柏洋通信Vol.44

  【芝浦工業大学に行ってきました。】(3/23)

◆記念講演は「今の時代」にマッチしたタイムリーなテーマ。難解な内容ながら思わず引き込まれました。

◆懇親会に先立ち、古屋デザイン工学部長からご挨拶がありました。

◆懇親会にはOG、OB、歴代の学部長も駆けつけ、にぎやかに盛り上がりました。

◆芝浦キャンパスでは「卒業・修士研究展」が同時開催。「若者が好むお酒の包装容器の関する研究」では、ガラスびんが取り上げられていました。

 当社が産学連携でお世話になっている芝浦工業大学のデザイン工学部が、この4月から新たなスタートを切る運びとなりました。
2009年に開設されたデザイン工学部ですが、刻々と変化する時代の要請に応えるため、この程その形を大きく変えることになったのです。
当社とデザイン工学部・エモーショナルデザイン研究室の橋田教授とのお付き合いも、早4年目を迎えました。
その間大学生の瑞々しい感性と、橋田教授の的確なご指導もあって、幾つかのデザインが製品化され、市場へと出ています。
さて、今回大きく変わったところは、製品などの形ある「モノ」をデザインする生産・プロダクトデザイン系と、 操作感やユーザ体験など「コト」をデザインするロボティクス・情報デザイン系を開設(芝浦工業大学HPより)したことです。
そこで3月19日に各方面で活躍する卒業生や、当社のような社外の関係者に向け、 その趣旨を説明する機会が設けられたことから(同時に記念講演会も開催)、私もJR田町駅からほど近い芝浦キャンパスに行ってきました。
冒頭でデザイン工学部長の古屋氏より、「これまでの歩みを継承しつつ、さらに『デザイン工学』のあるべき姿を示すための改編です」という、力強い発言もありました。

古屋学部長のお話に続いて、新井民夫特任教授よる記念講演が行われました。
新井教授は生産技術やロボットの分野で著名な研究者である一方、畑の違うサービス工学の提唱者としても知られるなど、 多彩な研究分野で数多くの成果を上げられてきました。
東大を退官後に芝浦工業大学のグローバル化に尽力されましたが、この3月末を持って惜しまれつつ退職されることとなりました。
講演のタイトルは正に時宜を得た「グローバル化、人工知能、そしてロボットの時代に、なぜ我々はデザインを学ぶのか」です。
「2045年には人工知能が人間を超える」「今後30年で現在の仕事の半分はなくなる」など、初っ端からショッキングな話が続きます。
人工知能やロボット万能時代になっても、人間が人間としての尊厳を持って生き残るには何が必要なのか。
重要とされる10のスキルがあるそうですが、中でも「異文化対応力」「論理的思考と適応力」そして「デザイン思考」の3つが欠かせないとか。
講演はさらに新井教授の深い知見に基づき、人工知能やロボット研究の歴史から、デザインする上での具体的な方法論に至るまで、縦横無尽に続きました。

その後の懇親会にも参加させていただき、新井教授にご挨拶する機会を得ました。
氏は芝浦工業大学を退職後も幾つかの要職に就かれていますが、その一つが国際廃炉研究開発機構の副理事長の職です。
現在福島第一原発の廃炉に向けた体制作りに関わっておられ、残りの人生を賭して取り組んでいきたいとおっしゃっていました。
この問題は福島県に生産拠点を持つ当社にとっても関係の深い事項です。
思いがけず新井教授とご面識を持つことができたことに驚くと共に、このような機会を設けていただきました橋田教授や芝浦工業大学の関係者の方々に、 改めて感謝したいと思います。
尚、国際廃炉研究開発機構のオフィスは、偶然にも当社の本社とほんの目と鼻の先の所でした。
これからも時間が許せば、新井教授にお話を伺えればと思っています。

代表取締役社長
七島 徹

2017.03.22

柏洋通信Vol.43

 

【5回目の色替えを実施しました。】(3/22)

◆白から茶へと、今回も順調に色調は変化しました。

◆生産再開に当り、新たな課題も見えてきました。


3月11日から15日にかけて、5回目の色替えを実施しました。
今回は白から茶への3回目のトライになります。
今回も前回の実績を踏襲し、基本的にはオーバーアクションは取りませんが、僅かながら時間の短縮を図りました。
3月10日の夕刻から原料を計画に則り入れ替えはじめ、翌11日のお昼前に生産を停止。
その後ほぼ計画通りに色調は変化し、3月14日の夕方には概ね茶へと変わりました。
3月15日の8時過ぎから3号ラインを皮切りに順次生産を再開、16日の午後に最後の2号ラインがスタートし、色替えは完了しました。
今回の色替えでも生産再開に当り予期せぬ事態が発生し、また新たな課題も見えてきましたが、大きな問題もなく終えることができたと考えています。

当社の色替えも5回を数えるまでになり、従業員の間に当初の緊張感が薄れていることが窺がわれます。
3回目ぐらいまでは、溶解に関わる人間以外も素地の色調を確認するために、頻繁に現場に集まって来ていましたが、 回を重ねるごとにその数が減ってきているという現実があります。
色が変わるのはもはや当り前の感覚になっているのでしょう。
当社としてこれまで大きな失敗はなく、色替えのノウハウを着実に蓄積してきたことは事実だとしても、 安易な気持ちで取り組むことのできる作業ではないことを、全従業員が再度肝に銘じなければならないと思います。
これからも過信することなく、より安定的かつスピーディーな色替えを目指し、「分析と研究を怠るべからず」の思いを強くしています。

代表取締役社長
七島 徹

2017.03.20

柏洋通信Vol.42

 【第13回ガラスびんアワード授賞式に出席しました。】(3/20)


3月16日に開催された第13回ガラスびんアワードの授賞式に行ってきました。
今回も審査委員長にはイラストレーター、作家、映画俳優と多彩な分野で活躍されているリリー・フランキーさん、 審査委員にはフリーアナウンサーの富永美樹さんが当たられました。
授賞式に先立ち、日本ガラスびん協会山村会長からご挨拶がありました。
その中で今回エントリーされた245アイテム(335本)は、昨年を上回る本アワードの新記録とのこと。
また、今までエントリーはガラスびんメーカーの推薦が中心だったものが、まだ数は少ないものの、 ボトラーからの自主的な応募が増えてきているという、うれしい報告もありました。
本アワードの認知度も、回数を重ねるごとに確実に上がっていることがうかがわれます。
今回は審査基準が大幅に刷新されたことにも注目です。
ガラスびんに求められるものも、時代とともに微妙に変化することから、 機能、環境、デザイン面に加え、トレンドやライフスタイルなども考慮した、より多彩な観点から評価することになりました。
アワード並びに受賞作品の詳細については、以下の日本ガラスびん協会のHPをご覧ください。(http://glassbottle.org/glassbottlenews/1049)

私見ではありますが、今回のアワードでは、洗練されたオシャレな感覚やプレミアム感を訴求すると言う面で、 ガラスびんの持つ魅力が良く出た作品が多かったと感じています。
全体的にシンプルな機能美が評価されたことも、「今の時代」を表しているのでしょう。
受賞作品を眺めると、ガラスびんの「今」と「これから」の方向性が垣間見えたアワードだったと思います。
が、一方でそれらが業界全体のセールスに結びついていかないところに、ジレンマを感じている自分がいます。
我々ガラスびん業界とボトラーの意識、商品を扱うスーパーマーケットやコンビニエントストアなどの流通サイドの思惑、 はたまた消費者のニーズや嗜好との間に、齟齬をきたしているのではないかとも感じています。
今回の受賞が全て大手製びんメーカーに集中したことにも、中小びんメーカーの経営者として危機感を持っています。
様々な意味でガラスびん業界の現状や、柏洋硝子のアイデンティティとは何かを、改めて考えさせられたアワードでした。

代表取締役社長
七島 徹

2017.03.15

柏洋通信Vol.41

  【フーデックスに行ってきました。】(3/15)

◆今年も多くの食と飲料のプロたちでにぎわいました。

◆アメリカ在住が長いだけに、体験に基づく語りに説得力があります。

◆新たなお客様との出会いもありました。

◆「美食女子グランプリ ママの愛」金賞受賞おめでとうございます。

◆いつもご愛顧ありがとうございます。


今年も3月7日から10日までの日程で、幕張メッセを会場にフーデックスが開催されました。
私は3日目の9日に訪れましたが、昨年に比べてさらにスケールアップし、 会場が10ホールにまで拡大していることにまず驚かされました(アジア水産・冷食展まで含めるとなんと11ホール!)。
フーデックスは日本、世界の食品・飲料の最先端のトレンドを発信するアジア最大級の展示会で、 内外の食や飲料に関わるプロたちが集う一大イベントであることは、皆さんもご存知の通りです。
42回目を迎えた今回は、国内はもとより約80か国から出展があり、4日間通じて昨年を上回る8万人以上が詰め掛けました。

フーデックスは出展企業のブースを見て回る楽しみだけではなく、トレンドを先取りした企画も要注目です。
今回は今や世界が認知した「和食」がキーワードです。
海外マーケットをターゲットに、「日本茶」や「ラーメン」など、日本の伝統食を大胆にアレンジした製品、 SUSHI、TEMPURAに次ぐ日本の「おつまみ文化」を提案する「OTSUMAMI JAPAN」、さらに日本酒だけでは語れない、 ジャパンメイドの地ビール、ワイン、ウイスキーをも含む「日本のお酒」を紹介する「KANPAI JAPAN」などなど、興味深い展示が目白押し。

その他にも、プロも唸らせる専門的なセミナーや講演も見逃せません。
今回私が特に注目したのが「アメリカに見る最新のお酒のトレンド」です。
長らくニューヨークに在住し、米国の流通業界に詳しいコーディネーターの丹野朱美さんが講演されました。
アメリカのトレンドが、時間をおかず日本に波及することは何かと多いものです。
次のビジネスヒントを掴もうと、客席はほぼ満席状態。
丹野さんのテンポの良い語りも楽しく、あっと言う間の1時間でした。

アメリカでは今、ホームテイメント(ホームとエンターテイメントの造語)が流行しているとか。言うなれば「家飲み」「宅飲み」のことです。
家族や友人など気の置けない人たちと、自宅でくつろぎながらアルコール類を楽しむことがトレンドなのだそうです。
2016年は世界のアルコール飲料の消費量が前年比で0.7%ダウン。 特に中国、ブラジルなどの新興国の落ち込みが大きかったことが影響していますが、 アメリカではミレニアム世代(20~36歳、ベビーブーマーの子供たちの世代)が牽引し、2.3%伸びました。
ミレニアム世代はこだわり派世代でもあります。
元々自宅に人を招くパーティー文化が根付いているアメリカですが、彼らと親の世代では好みのアルコール飲料も異なります。
ビールと言えばバドワイザーなどのマスプロ製品を指すのが、彼らの親の世代であるベビーブーマー世代。
一方ミレニアム世代では原料、製法、味にこだわったクラフトビールや輸入ビールになります。
ワイン志向も高く、ジンやウオッカなど、旧来型のハードリカーは敬遠されます。
今やアメリカでは、ビール飲料に占めるクラフトビールの割合が20%を超えていることからも、 こうしたトレンドが一時的ではないことを示しているのだと思います。

若者の「家飲み」「宅飲み」志向は日本でも見られることですが、これは決して経済的な面だけで語られるべきではないでしょう。 日本でもアメリカほどではないにせよ、地ビールが伸びていることは事実です。
日本でもこだわり派の増加と、それに伴うアメリカントレンドの後追いはあると実感しました。
今年のフーデックスに出展していた大手ビールメーカ2社が、奇しくも揃ってクラフトビールに関連する展示であったことは、 ある意味必然だったのではと思います。
日本でもこだわり派の増加に比例して、ガラスびんの需要が高まるはずだと言うと、我田引水でしょうか。
日本でホームテイメントがどのような形で定着していくのか、アメリカとはバックボーンが異なるものの、興味がつきません。

代表取締役社長
七島 徹

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